この記事は長すぎたために、2編に分けました。こちらは2のほうです。もう一つの記事は下記リンク「トラブル対処法」です。
介護うさぎの住環境・温度管理
病中、老齢のうさぎは体力が落ちているので、特に温度管理には気をつけたいです。寒くて体温が下がってしまうと、免疫力が低下するので気をつけましょう。逆に熱すぎても体力を消耗しますので、夏場や温めすぎにも注意しましょう。
介護には保温できるものは必須
基本的には夏に部屋でエアコンを使うのであれば、弱っているうさぎには保温のための何らかの措置をとるようにと、獣医師から言われました。もちろんうさぎの状態や部屋の温度にもよりますので、飼い主が判断が必要です。これまでどおりの飼育方法で体調が維持できなくなったり、いつものような元気がないと思ったときには、温度管理のことも考えましょう。
一つの判断材料として、うさぎの耳を触って冷たかったら保温しましょう。暑くなりすぎないように、頻繁に様子をみるようにしましょう。うさぎの耳を触って熱かったら、少し熱を逃がしてあげるようにしてください。寝たきりで身体を支えるために周囲にクッションを置いている場合には、熱がこもっていないか注意しましょう。
普段の夏はエアコンだけで大丈夫でしたが、体調を崩してしまっているときには、部分的な保温を考えましょう。冬は必ず保温しましょう。私が使ってよかったのは、遠赤外線マイカヒーターでした。
遠赤外線マイカヒーターを使ってみた感想、使用時の写真、利点と欠点、価格、電気代などについてまとめた記事があるので、参考にしてください。
室温管理に使える記録温度計
部屋全体をエアコンなどで温度設定している場合、気をつけたいのが部屋の上と下では温度が違うということです。冷たい空気は下へ溜まり、暖かい空気は上に行きます。冬場は足元がよく冷えるのもそのためです。
うさぎのケージを床置きにしている場合、冬場は冷えすぎていないか注意しましょう。温度計をケージの高さに置いておくと安心です。不在時のときのために、記録できる温度計もあるので必要なら購入されるとよいと思います。24時間一定の間隔で記録するものや、もっと簡易的に一日の最低と最高の気温を記憶するものなど、いろいろあります。
上のKeyniceデジタル温湿度計は、室内・室外の最高・最低温湿度記録機能があります。壁に掛けたりスタンドで立てたりが可能。屋外用の温度センサーケーブルが付いていますが、ケージのうさぎがいる高さ辺りにセンサーを設置して、本体は安定して置ける場所に設置すると使い勝手がよさそうです。
これはデータロガー温度記録計。1日中温度を記録してくれる記録計です。測定精度は±0.5℃で-20から40℃まで測定可能です。温度記録は10秒間隔から設定可能。32000ポイントまで記録できます。性能は十分といえますね。データを見るためには、パソコンが必要です。一日の、特に不在時の温度の変動がわかるので便利です。
外出時のお水と食事
自力でお水を飲めないうさぎを置いて、外出するのは心配ですね。家を空けるときに、水をどのように飲んでもらったらいいかという問い合わせもいただくことがあります。以下、私がやってみて不在時の水分補給に成功したものを列挙していきます。
上半身を少しでも起こすことができるうさぎの場合、鼻先あたりに給水ボトルを固定できればうまく行きます。なのはっちがまだ完全に寝たきりではなかった頃、この方法でお水を自力で飲んでいました。
給水ボトルが使えない場合、外出時に生野菜を口元に置いておきます。生野菜なので、時間が経つと水分が飛んでしまいます。比較的しおれにくいものがおすすめです。少量のフルーツでもよいと思います。
実はあまりよい方法がないのです。寝たきりでも口元で安定して置ける給水ボトルみたいなのがあればよいのですが。そういうわけで、帰宅したらお水をシリンジやスポイトで飲ませていました。
自力でお水が飲めないうさぎを置いて外出したときには、帰宅後はまずうさぎに水を飲ませてあげましょう。うさぎの大きさにもよりますが、ネザーランドドワーフなら細くて長い1mLのシリンジが使いやすかったです。手に入らなければ、ドラッグストアで売っているスポイトでも大丈夫です。
シリンジやスポイトをうさぎの口に入れるときには、真正面からではなく口の端のほうから入れましょう。真正面は前歯が邪魔ですが、横からなら簡単に口の中に入れることができます。お水のときでも充分に口の中に突っ込んでから飲ませないと、こぼれてしまいます。お水を飲ませるときは仰向けではなく、腹ばいか横向けてくださいね。やりにくかったらあお向けて寝かせてから、ちょっと身体を起こしてからあげてもよいと思います。誤って気管に水が入らないようにするためです。
なのはっちはネザーランドドワーフで、小型のうさぎだったので1mLサイズのシリンジが使いやすかったです。大きなうさぎになると、大きめのシリンジが使いやすいかもしれません。容量が大きくなると、シリンジが太くなるのと、容量によっては長さが1mlのものより短くなるので、その分使い勝手は悪くなるかもしれません。
うさぎの介護に役立ったグッズまとめ
介護をしていると、「こんなときみんなどうしてるいるのだろう?」ということがよくありました。また、「こんな感じのものがあればいいのだけれど・・・」と思うことも。自作には能力・想像力ともに限界があり(笑)、ふとしたことで偶然知った便利なグッズや知恵などで、うさぎのQOLがグッと高くなることもあります。
私は主にお世話になっていたうさぎ専門店の方から、介護をするにあたり便利なグッズや介護の方法などについて、親身に相談にのっていただきました。また私自身も試行錯誤しながら見つけた、介護に使えた便利なグッズを紹介したいと思います。
おしりの汚れ防止に役立った SUSUマット
自分でグルーミングできなくなったり、寝たきりになると気になってくるのがおしり周りの汚れ。どうしてもおしっこや柔便がついてしまうからです。盲腸糞の上に身体を乗せてしまうこともよくありますね。
SUSUマットは水分の吸収が速やかで、うさぎの身体が濡れるまえにおしっこをすばやく吸収してくれます。うんちもマットの太い毛と毛の隙間に入るので、足で踏んだり身体を乗せても痛くありません。盲腸糞はどうしても汚れてしまいますが、SUSUマットだと水分の吸収性能とある程度のクッション性もあるために、大惨事には至らなくてすみます。
SUSUマットにはいろいろな色や大きさがありますが、色は薄めにしておくとおしっこの場所やおしっこの色の異常にも気が付くことができるのでおすすめです。大きさはうさぎの大きさにもよりますが、ネザーランドドワーフの場合には、36x50cmのバスマットで充分でした。
上の画像はSUSUマットですが、同じような形状のマットが多種出ています。お値段もSUSUよりはお安くて買いやすいですが、私が当時いろいろ調べたところ、SUSUマットの水の吸収の速さは他のマットよりも速いというデータを見て、信頼するうさぎ専門店の店長さんのおすすめもあり、SUSUマットに決めました。
何度も洗って繰り返し使えますし、品質や性能もうさぎの身体のことを思えば、納得のいく製品を選びたいと思いました。おしっこなどでおしり周りがただれたりしてほしくないですからね。半年以上使っていましたが、おしっこの吸収が悪くておしり周りが汚れたことはありませんでした。
また、うちの場合は洗い代えに3枚は必要でした。1日に2回、マットを交換するので最低3枚は必要でした。また、マットは完全防水はしていないので、マットの下にペットシーツを敷くことをおすすめします。SUSUマットだけでは寝たきりの介護うさぎには固すぎるので、SUSUマットの下にクッション類を置くと思うのですが、直に置くとおしっこがクッションまでしみてしまうこともあります。
斜頸でも安定して楽な姿勢が保てた U字クッション
斜頸の場合、首の傾きがあるために身体を支えるための方法を考えなくてはなりません。なのはっちがいよいよ立てなくなったときによい方法がわからず困り、お世話になっているうさぎ専門店に問い合わせました。教えていただたU字クッションがなのはっちにはとても良かったです。
U字クッションの大きさはいろいろあるので、うさぎの大きさに合ったものを見つけてください。見つけてといわれても、試さなくちゃわからないですよね・・・。もしも家にU字クッションがあれば、それを試してみてサイズを検討されるのがベストですね。最近は100円ショップにもあるのでしょうか。数百円ならば、サイズを確かめるために購入してみてもいいかもしれません。
常時使うものは、クッションの弾力があるもののほうがよいです。沈みすぎるものは疲れるでしょう。低反発ウレタンぐらいが良い気がします。そこそこのお値段がしますが、一日中そこに身体を預ける場所ですから、身体にとって楽なもの、快適なものを使いたいです。
参考までに、なのはっちが使っていたU字クッションを紹介します。ネザーランドで体重は1.2Kgぐらいです。クッションの大きさなどの詳細は、クッション画像をクリックして参照してください。
U字クッションはうさぎの身体を挟み込んで安定させるものですから、使い始めようとしたときにうさぎから拒絶される可能性が高いです。今まで経験したことのない使い心地なのですから、当然のリアクションです。始めに拒絶されたことで使うのをあきらめてしまうにはもったいないほど、使い慣れるとうさぎの身体をしっかりと安定させてくれる物です。
なのはっちも実は、初めのうちは拒絶しました。けれども半年間、背中にあてて慣れさせたあと、当初の目的どおりの方法で使うことができましたので、あきらめないでくださいね。参考までにその様子を書いた記事のリンク(「寝たきりや斜頸のうさぎにおすすめ U字クッション 2.使ってみて感じた良い点悪い点」)を下に記すので、参考にしてください。
水や薬などを飲ませるのに役立った スポイト、シリンジ
スポイトやシリンジは、病気や老齢うさぎの看護や介護の必需品といってもいいでしょう。薬や水をあげるときに使うのはもちろん、身体を拭くためにコットンを湿らせたり、強制給餌のときや、人間用の消毒薬を薄めてうさぎに使う場合にも使えます。
通院していると、必要なときにシリンジをもらうことができます。病院によっては、廃棄処分の問題から(産業廃棄物なので)使い終えたシリンジを返すように言われることもあります。シリンジが古くなってきて、新しいのが欲しいときは、古くなったシリンジは家で捨てずに病院へ持っていって交換してもらう病院もあると思います。
スポイトもシリンジも、個人で購入することは可能です。ドラッグストアに行けば、使い捨てのスポイトはだいたい置いているはずです。シリンジはドラッグストアの売り場では見たことがないのですが、インターネットでなら購入可能です。ネザーランドドワーフぐらいの小型のうさぎなら、1mlのシリンジが使い勝手が良いです。
コットンは汚れとりから傷の保護まで
カット綿、化粧用コットンは介護でよく使う場面があったので、常備しておくとよいと思います。消毒済みのカット綿は高いし、普段使う場面では消毒している必要もないので、安価な化粧用のコットンを使っていました。
目の周りを拭いたり、皮膚の消毒をしたり、ソアホック患部の保護材として、毎日使用していました。介護が長期に渡る場合、必要な物はすぐに手に入れられる物、高価でない物でやりくりできればいいですね。
コットンは下の画像のような、ドラッグストアで2箱セットになっているようなものを使っていました。
ちょっとした消毒なら、イソジンきず薬を薄めて
動物病院でもらった動物用の消毒薬を使っていましたが、日常的に使うとなると以外と高い¥上に、消毒薬がなくなるたびに動物病院へ足を運ばなくてはなりません。なのはっちは夏になると度々脱毛したり、皮膚に炎症を起こすことがあったので、常備薬になっていました。
獣医師に相談すると、必ずしも動物用消毒薬で「なければならない」わけではないとのことで、人間用のイソジンきず薬(消毒薬)を10倍に薄めたら、うさぎの皮膚の消毒にも使えると教えてもらいました。
10倍希釈に使うのは、水道水でよいそうです。ただ取り扱いには注意が必要です。水はすぐに痛んでしまうので、希釈後の消毒液はその日に使って余った分は処分してください。使いきる分量だけ、毎日作ると無駄になりません。私は1回分を毎回調整していました。こんなとき、スポイトが役に立ちます。
ソアホックや床ずれでむき出しの皮膚の保護に ワセリン
ワセリンはとても重宝しました。軟膏の基材として使われているので、安全性はお墨付きです。傷を治す作用はありませんが、皮膚を保護する作用はあるので、脱毛箇所を消毒後に必要に応じて少し塗ってあげたり、ソアホックの保護材(コットン)を当てる前に塗ったりしていました。
私は蓋のある広口の容器に入っているワセリンを使っていましたが、チューブ入りもあるようで、そちらのほうが衛生的で良いと思いました。広口容器の場合、使っているうちにうさぎの毛が入ってしまったり毎回指を入れるので、衛生面を考えたら最後まできれいに使えるチューブがおすすめです。
ソアホック 患部の保護に大活躍
ソアホックは経験上、病院でソアホック用軟膏を塗っているだけでは劇的な治癒は見込めません。足裏と床やマットとの摩擦をどうにかして減らすことが必要です。
私がやってみて有効だった方法は、ソアホック患部をコットンで保護して、包帯などで固定することでした。包帯などは動き回れるうさぎの場合は嫌がって、すぐに自分で取ってしまうでしょうが、寝たきりになると自分では取れません。寝たきりでもソアホックは酷くなっていったのですが、コットンと包帯(あるいはネット)で保護することで、徐々に足裏の毛が生えてきました。完治は難しいですが、少なくとも進行は止めることができるのではないかと思います。
進行が止まらないで困っている方は、一度試してみてはいかがでしょうか。うさぎが足に何か巻かれることで、酷く嫌がりストレスを感じるようであれば、やめたほうが良いかもしれません。そのあたりは飼い主の責任で行ってください。
介護うさぎにおすすめのサプリメント
私は免疫力アップの目的で、サプリメントを使っていました。姫マツタケの液体です。6mLで1,728円(税込)と、高価ですが1回1-2滴をペレットなどにしみ込ませ、1日1-2回与えるだけなので、約2ヶ月(開封後は消費期限も2ヶ月)で使い切る感じです。
かなり癖のある香りがして、好き嫌いが分かれると思いますが、なのはっちは好きでしたので、食欲増進にもなっていました。
なのはっちの容態がかなり悪くなってき始めてから、新しいサプリメントが発売されました。試したことはないのですが、「うさぎのチカラ」という機能性食品があります。免疫力をアップして自己治癒力を高めたり、老化現象に歯止めをかける方向に作用するアガロオリゴ糖も含まれています。錠剤なので、食べることができる状態であれば、試してみる価値はありそうです。けれども薬ではなく、サプリメントなので過度は期待は持たないほうがよいでしょう。
「うさぎのチカラ」の詳細は、メーカーであるウーリー有限会社の商品説明をご覧ください。うさぎのチカラ | WOOLY うさぎの食彩工房
食欲低下時に試すこと
まずは家にあるもので何とかしてみましょう。何が原因で食欲が低下しているかにより、対処法も変わると思いますが、原因がわからずに成功した対処法から原因が推測できることもあるので、まずは何でも試してみることです。もちろん病物病院受診は最優先です。
簡単に試せるのは、ペレットを数種類持っているなら、いつもと違う種類をあげてみましょう。またはペレットに水を含ませて団子状にしてみたり、好きな食べ物のにおいをつけてみたり。たとえばリンゴが好きなら、リンゴの絞り汁をつけるとか、リンゴを混ぜて食事を与えてみるなどです。
牧草も数種類を試してみたり、生野菜をあげてみたり。またはいつもうさぎが自分で食べているのなら、飼い主が手からあげてみると食べることもあります。
何をしてもダメで、病院を受診した結果、強制給餌が必要とされた場合には、獣医師の指示にしたがって、家で強制給餌をします。下記リンク「食欲がないとき」は、なのはっちが食欲不振だったときに試したことや、強制給餌の仕方についてまとめた記事ですので、よければ参考にしてください。
近頃は以下のような便利なものも売っているのですね!ずっと以前からあったかもしれませんが、私は使ったことがないので使用した感想などは述べられませんが、使えるものならば介護する側も便利ですね。