うさぎの脱毛と皮膚病

ある日、うさぎにハゲがあるのを見つけた経験のある飼い主は多いと思います。背中の見えやすいところなら、すぐに気がつきますが、内ももとかあごの下となると、気がつきにくいです。

今回はうさぎの脱毛について、原因、対処法、予防法についてまとめました。脱毛がある場合には、皮膚病も併発している場合が多いので、脱毛を伴う皮膚病については症状、原因と対処法、さらに予防法についてもまとめました。

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うさぎが脱毛する原因

うさぎが脱毛する原因はいくつかあります。

  • 換毛期
  • ストレス
  • 偽妊娠
  • 栄養不足
  • 慢性的な毛の濡れ

換毛期

うさぎは夏と冬に毛が生え変わり、比較的体温を放出しやすい夏毛、保温性のある冬毛になります。

換毛期になると個体差にもよりますが、毛がごっぞり大量に抜けることもあります。一時的に部分ハゲになることがあります。

病気による脱毛との見分け方は、脱毛の時期(換毛期)と抜けた部位の皮膚を見れば、だいたいわかります。

脱毛部位の皮膚に炎症などの異常がなく、ツルツルして綺麗だったり、アイランドスキンといって、皮膚が部分的に盛り上がって少し硬くなった状態になっています。アイランドスキンは毛が生えてくるときにできるものなので特に問題はなく、様子見でいいと思います。しばらくするとそこから毛が生えてくるはずです。

ストレス

ストレスでもうさぎは脱毛します。人間もそうですよね。気がつくと後頭部に10円ハゲが出来ていたとか、よくある話です。

ストレスを病気と呼ぶかは微妙ですが、ここでは病気という枠には入れずに話を進めます。

見分け方としては、換毛期以外で脱毛が見られ、皮膚の炎症がなければストレスの可能性が高いです。原因は個体により様々です。

引越しなどの住環境の変化(暑すぎる、寒すぎるも)や、うさぎにとって気になる物音が頻繁にして脱毛するケースは多いです。

また、同じケージに2匹以上のうさぎを飼っていたり、モルモットと一緒に飼っている場合には、ストレスで自分の毛や他のうさぎの毛を齧る行為が見られることがあります。

これは完全に脱毛するというよりも、毛がまだらに残るような状態になっているようです。

偽妊娠

偽妊娠はメスのうさぎに限った話です。ホルモンの変化により、妊娠していなくても妊娠しているかのような行動をとることがあります。

具体的には巣作り。うさぎはワラ、牧草、自分の毛などで巣を作ります。口いっぱいに牧草や自分の毛をくわえているのを見かけたら、巣作りしていると思われます。

どうして脱毛するかといえば、ハゲてしまうほど自分で自分の毛をむしるからです。この時期はろくにお水も食事もとらないそうです。

慢性的な毛の濡れ

長期間うさぎの身体の同じ場所が濡れていると、脱毛します。

身体が局所的、慢性的に濡れる場合として考えられるのが、大きく次の2つに分けられます。

環境によるもの

水入れのこぼれや給水ボトルからの水漏れ、溜まった排泄物、他のうさぎから又は自分自身の過度なグルーミングなどで、慢性的に身体が濡れる場合があります。

うさぎ自身の健康問題によるもの

なのはっち目の周り皮膚炎で脱毛

排泄物が身体に常についている、歯の病気により常によだれで濡れている、目の病気により常に涙で濡れているような場合があります。

また、肥満が原因になっていることがあるので注意しましょう。なのはっちは肉垂(俗に言うマフマフ)が大きくて、夏になると蒸れるためによく脱毛していました。当時は知識があまりなく、おやつをあげたりして肥満うさぎだったのです。

栄養不足

上記いずれにも当てはまらないときに、可能性があるのが栄養不足です。たとえば繊維質が不足している、盲腸糞を食べていないなどで、自分の毛をむしる行動をする場合があると報告されています。

うさぎが脱毛したときの対処法と予防法

換毛期

換毛期によると思われる脱毛は、しばらく様子を見ても大丈夫でしょう。食欲低下などの異常を感じたら、動物病院を受診しましょう。

ストレス

ストレスの原因と思われることを見つけて、取り除くことです。一度で原因を見つけることができないかもしれませんが、根気よく観察しましょう。

偽妊娠

抜けた毛が大量にケージの中にあると、食べてはいけないと思って取り除きたくなりますが、毛がなくなったことに気がついたうさぎは、また自分の毛をむしりとるので、しばらくはそっとしておくほうがよいそうです。

偽妊娠はホルモンバランスによるものなので、しばらく経過すると元に戻ります。元気がない、毛を食べたらしい、食欲がないなど、気になることがあればすぐに動物病院を受診しましょう。

慢性的な毛の濡れ

毛が濡れている部分に脱毛があれば、毛が濡れる原因をつきとめましょう。前述した考えられる原因を参考にして、一つ一つ可能性をつぶしていきましょう。

頻繁にうさぎを抱っこして身体が濡れていないか、脱毛していないかを確認するといいです。太っているうさぎの場合、あごの下など肉がたるんでいる部分を広げて見てあげてください。脱毛している場合があります。

栄養不足

食事内容を見直しして、不足していると思われるものを意識して与えるようにしましょう。

特に牧草を食べる量、盲腸糞を食べる量(食べ残しがあるかどうかなどで判断)を確認してみましょう。おやつをあげすぎている場合は、おやつを控えましょう。

脱毛を伴ううさぎの皮膚病

うさぎの皮膚病の中で、脱毛を伴うものはダニ、ノミ、真菌があげられます。以下、順に詳しく説明します。

ダニの感染 ダニの種類と症状、診断

ウサギツメダニ

ウサギツメダニ(Cheyletiella parasitovorax)が寄生すると、脱毛が見られます。喚毛期などの脱毛とは違い、ハゲているところとの境目の毛を引っぱるとかさついた皮膚と一緒に毛がかたまって抜けるらしいです。

ダニが感染しているかどうかを調べるには、動物病院へ行って皮膚を削り取って顕微鏡で調べる必要があります。この検査で必ずダニが見つかるか保証はできませんが、治療は比較的簡単です。

治療薬は安全性が高いといわれているレボリューション(セラメクチン)という滴下式の外用薬か、イベルメクチンという注射があります。イベルメクチンのほうが治癒の確実性はあがるらしいのですが、稀にですが副作用が出ることがあります。

薬で治療を始めるのは簡単なのですが、治療と同時にケージの中や、うさぎを遊ばせるスペースなど、うさぎがいる空間はすべて綺麗に掃除しなければダニを全滅させることは難しくなります。

ダニの成虫は薬で殺せても、ダニの卵は皮膚などについて、それがフケとしてあちこちに落ちるからです。お掃除はいつもよりも念入りにしましょう!

ウサギツメダニは人獣共通感染症。人も刺して皮膚炎になるので、注意しましょう。

ウサギキュウセンヒゼンダニ

ウサギキュウセンヒゼンダニ(Psoroptes cuniculi)は、皮膚に寄生するダニで、主に耳道に寄生し炎症を引き起こします。ウサギ耳疥癬や、ウサギ耳ダニと呼ばれる病気の原因がウサギキュウセンヒゼンダニです。

感染すると激しい耳のかゆみのために、頭を振ったり耳を後ろ足で激しく掻くしぐさが見られます。耳の中を見ると、激しく掻くことにより大きなカサブタができています。

グルーミングで耳以外へ感染が広がる可能性があるので、早めに対処しましょう。

<p>感染が疑われたら動物病院へ行って検査を受け、投薬をしてもらいましょう。ダニ殺剤の種類や投薬後の家庭での注意点は、ウサギツメダニと同じです。

ウサギズツキダニ

ウサギズツキダニ(Listrophorus gibbus)は被毛に寄生するダニで、かなりの量に増えるまでは無症状であることが多く、健康診断などでたまたま見つかるというケースが多いようです。

ウサギズツキダニに感染したうさぎの毛を手で分けて見てみると、黒く小さな点々が確認でき、それがまるで塩とコショウをふりかけたように見えるのが特徴です。

感染していることがわかったら、動物病院でダニ殺剤で駆除しましょう。薬剤や投薬後の家庭での注意点はウサギツメダニの項で書いたのと同じです。

ノミの感染と症状

痒みと皮膚が赤くなったり、かさぶたができ、脱毛が見られます。毛を分けてみると、黒く小さな点々があったら、それはノミの糞です。必ず見られるとは限りませんが、皮膚の上をすばやく動くノミを肉眼で確認できます。

ノミの感染はほとんどがネコノミと言われているので、飼い猫と同居していてそのネコにノミがついている場合には、感染の確率は高いです。

感染が疑われたときには、直ちに動物病院で検査、投薬してもらいましょう。ネコ用のノミ駆除剤が使用されているようです。

ノミ駆除の注意点はダニと同じで、うさぎに駆除剤を投与すると同時に、部屋やケージ内のノミ駆除も必要になります。飼い猫がいるときには必ず飼い猫のノミ駆除も必要です。

ノミ駆除は様々な商品が販売されていますが、特におすすめの商品を次章の対処法、予防法で紹介します。

リングワーム(皮膚糸状菌症)

リングワーム(皮膚糸状菌症)は要するにカビ(真菌)のことです。中でも白癬菌が多いようです。

症状はフケ、痒み、円形の脱毛です。人にも感染するので、注意が必要です。

リングワームが疑われたら、動物病院へ行って検査を受けましょう。毛や皮膚を少しとって顕微鏡で真菌を確認するか、真菌培養検査でわかります。

治療は抗真菌剤を投与します。治療中の注意点はダニやノミと同じで、部屋やケージ内を清潔にすることです。落ちたフケなどにも真菌がついているので、真菌に有効な消毒薬を使って拭き掃除をしましょう。

繁殖を抑えるため、カビの好む温湿度(15℃以上、80%以上)にならないよう環境を整えましょう。季節は問わず、家の中でカビが発生しやすくなる時期には注意しましょう。(気密性が高い家は換気が不十分だと、冬でもカビが発生します。)

脱毛に伴う皮膚病の対処法と予防法

皮膚病により脱毛した場合の対処法、予防法をまとめます。

ダニ、ノミ、真菌(カビ)の感染は、どの場合でも動物病院で治療を受けながら生活環境の改善が必要になります。

ダニ・ノミ

ダニ、ノミは成虫だけではなく、卵も殺さなくては数が減りませんので、どうしても部屋でダニ殺剤を使用しなくてはなりません。

予防法は、感染源を絶つことです。つまり犬・ネコを飼っている場合、きちんとダニ・ノミ駆除を動物病院で行うことです。うさんぽ(うさぎの散歩)でも感染する危険性があるので、できるだけ外へは連れ出さないことです。

ケージ内の掃除を毎日行うことも予防につながります。

ダニは剥がれ落ちたフケなどを食べて繁殖するので、部屋の掃除機がけなどをして空間を清潔に保ちましょう。毎日の掃除機がけはダニやノミの繁殖を抑制するのに、大変効果があると言われていますので、ぜひ実践しましょう。

部屋の中のダニやノミ駆除に、いくつかのおすすめの商品を次に紹介しますので、参考にしてください。

ダニ、ノミ駆除におすすめの商品

ダニがいなくなるスプレー 駆除・防止 ソープの香り 300mL
月に一度気になる場所に噴霧するだけ。布製品に使えます。


アース・バイオケミカル 電子ノミとりホイホイ
薬剤を使わずにLEDの光りでノミを誘引するので安全です。


アース・バイオケミカル 薬用ダニ・ノミ退治 400g
部屋に散布して使用します。散布した粉に触れるとダニ・ノミが死んだり弱ったりするので、30分から1時間後に掃除機で吸い取るという使い方。予防効果も有。


室内用「不快な害虫ノンノン」スプレー
ハーブが有効成分です。ノミ、ダニに限らず害虫に効きます。即効性の殺虫剤ではなく、幼虫の新陳代謝や卵のふ化を制御することで害虫の数を減らしていきます。

うさぎ皮膚糸状菌症(リングワーム)

うさぎ皮膚糸状菌症(リングワーム)は人にも感染する病気なので、感染したうさぎを触った後は必ず手を洗いましょう。

感染したら抗真菌剤を使用します。薬剤はミコナゾール、クロトリマゾールが一般的です。投与開始から40日間使用継続することが必要です。つまり皮膚がターンオーバーにより完全に入れ替わるまで、薬剤による治療が必要ということです。

症状が良くなったからといって、勝手に判断して薬をやめたりせず、獣医師の指示に必ず従いましょう。

予防法は、私達が普段カビの発生を抑えるためにしている温湿度の管理、換気、清潔を保つことです。

カビに有効な消毒薬

カビは頑固で、拭いても拭いてもまた生えてきますよね。そこで今のところ、これが最善といわれる方法をご紹介します。

カビの除去には、消毒用エタノールが有効です。消毒用のエタノールがカビの細胞壁を構成するタンパク質を壊すことで、カビを死滅させるからです。

けれども消毒用エタノールはカビに接したそのときに効くだけで、効果は持続しません。エタノールは揮発性が高いので、すぐに空気中に飛んでしまうからです。

したがって、無水エタノールは消毒用エタノールよりもエタノールの濃度が高くても、カビに効かないといわれています。理由は消毒用エタノールよりも揮発性が高く、カビを殺す前に蒸発してしまうからです。

消毒用アルコールは販売されていますが、無水アルコールを水で80%に薄めて作ることができます。水を加えることで、少し蒸発が遅くなって、塗布した表面にエタノールが一定時間残ることで、カビを殺すのですね。

カビをやっつけるおすすめの消毒薬


【第3類医薬品】消毒用エタノールIP「ケンエー」 500mL


無水エタノールP 500ml
無水エタノールは水(水道水でもOK)で80%に薄めましょう。

カビの予防

消毒用エタノールはカビの除去に有効だけれど、効果はそのときだけです。エタノールでカビをやっつけても、またすぐにカビが生えてくるということです。そんなの困りますよね。

そこで、防カビ。カビを長期間生やさないような薬剤を使いましょう。次に、おすすめの防カビ剤をご紹介します。

おすすめの防カビ剤

カビテクト アルコールタイプ 噴霧型
防カビ効果が半年から最長2年間!<使用場所や条件により異なります。>

野口商事 最強パワー 強力 防カビ剤 【 B-10 スプレー 】
防カビ効果は約1年から3年持続。<使用場所や条件により異なります。>

防カビ剤使用のときには必ず以下のことを守りましょう!

  • カビの原因をつきとめ、原因を取り除く(掃除や湿気の元を排除するなど)
  • 防カビ剤使用前には、必ず消毒用エタノールなどでカビを除去する

参考にしたサイト

Skin Diseases in Rabbits | House Rabbit Society

ウサギの病気:外部寄生虫症 | エキゾチックペットクリニック

ウサギのノミ感染症 | もねペットクリニック

うさぎの皮膚糸状菌症 | オダガワ動物病院

抗菌防カビ剤の種類と特徴 | あいち産業科学技術総合センター

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