さっきまで元気だったうさぎが、突然ふらつき始めたかと思うとバタン!と倒れ、転げまわる様子を見ると、飼い主は何が起こったか訳が分からず、パニックになると思います。うさぎでは珍しくない斜頸という病気を知っておくと、そうなったときに飼い主が落ち着いて対応できるので、うさぎが受けるダメージを最小限にすることができます。
斜頸の症状が衝撃的であるがゆえ、予めどんな症状であるかを知っておくことも、冷静に判断できるためにはとても大事なことだと思います。そこで斜頸とは何か、どのような症状で、飼い主はどうすれば良いのかについて、わかりやすく説明します。
斜頸とは
首が傾く病気を斜頸と呼んでいますが、これはうさぎに限らず、犬やネコ、人間にもある病気です。多くは平衡感覚をつかさどる内耳にある前庭という器官に問題があると言われています。
さらに詳細が知りたい方は、本サイト内の「斜頸(しゃけい)病院と家庭でできること」の記事中にある「斜頸とは」の章をご覧ください。
斜頸の症状
目が左右に揺れる(眼振)ために、目が回った状態になり倒れます。うさぎ自身も何が起きたのかわからず、体を安定に保つことができずに倒れてパニックになっていると思います。倒れた後、回転する動きをすることがあり、これはローリングと呼ばれています。次の動画で、斜頸になりローリングしている様子を見ることができます。(13秒の動画)
このときうさぎは眼振が見られ、平衡感覚が失われています。自分の意思で回転しているわけではないので、怪我をする危険性が大きいので注意が必要です。
うさぎの斜頸の原因
斜頸の原因は獣医師が書いたサイト、House Rabbit Societyというアメリカの獣医師など専門家が書いたサイトによると、内耳や中耳への感染・脳血管障害・外傷・エンセファリトゾーンなど様々なことが書かれています。しかし実際、原因を特定することは容易ではありません。
原因についてより詳しく知りたい方は、本サイト内の「斜頸(しゃけい)病院と家庭でできること」の記事中にある「斜頸の原因」の章をご覧ください。
うさぎが斜頸になったら直ちに飼い主がすべきこと3つ
うさぎに眼振やローリングが見られ、倒れたり暴れまわったりしたときに、直ちにしなければならないことがあります。病院へ連れていくまでの間、うさぎにケガをさせないことと、うさぎの気持ちを少しでも落ち着かせるためにすべきことを次に説明します。
うさぎが落ち着ける環境を作る
飼い主よりももっと不安を感じているのはうさぎ自身だと思うので、いつも接している飼い主が優しく声をかけて抱っこするか体が思わぬ方へ行かないように柔らかくクッション性のある布などで体を包んだり囲ったりしてあげましょう。テレビなどの音は消した方が良いと思います。できるだけ静かにして、飼い主が傍にいていつもの声で呼びかけてあげると安心するでしょう。
我が家のうさぎ「なのはっち」の場合は、斜頸がひどかったときに上の写真のように、頭のてっぺんを手のひらで包んであげると少し落ち着いていました。上がどっちかわかるからでしょうか。私も回転性のひどいめまい発作が度々起こっていた時期があったのですが、上下の方向がわからなくなりとても不安だったことを覚えています。
うさぎを診療してもらえる病院へ行く
うさぎの安全確保をしたら、次は病院です。斜頸の症状が出たら、できるだけ早く診察を受けて処置をしてもらいましょう。休日や夜間の診療をしている病院が見つからない場合は、診療が始まる時間までうさぎから目を離さないほうがよいでしょう。どうしても少し離れなくてはならないときは、うさぎが転んだり動いたりしてもケガをしないよう、フリースやクッションなどで狭い空間を作ってその中でうさぎに休んでもらいましょう。水やペレット・牧草などは症状によりますが、またいつ転んだりローリングが始まるかわからない状況では、うさぎのいる空間の中に何も置かないほうが無難です。容器や牧草で目などを傷つける可能性があるからです。
様子を見ながら水と食べ物を与える
眼振がひどく、うずくまっていたり転んだりしているときには、食欲はないと思います。けれど症状が少し落ち着くと水や食べ物を口にし始めると思うので、様子を見つつ食べられそうなものを与えてください。何を与えるのが良いのかは、飼い主がよく理解していると思います。
斜頸で病院へ行ったらどんな治療があるのかについては、こちらの記事「うさぎの斜頸は病院でどんな治療をするの?」に書いています。