うさぎが高齢になり寝たきりになった時、うさぎが病気やケガで立てなくなった時に、オムツは必要でしょうか?うさぎにオムツが必要かどうか、考えてみました。
そもそもうさぎ用オムツってあるの?
犬用のオムツはあるのですが、同じような紙製のうさぎ用オムツというのはないようです。うさぎにオムツを使用している人は、小型犬用のオムツや新生児用のオムツで代用しています。
中には手作りでうさぎのオムツを作ってしまう人がいるかもしれませんが、素材や形から自分で考えねばならず、難しいでしょう。小型犬などの紙製オムツを代用するのは、立てなくなってしまったうさぎの場合に多いです。高齢のために立てなくなったうさぎ、骨折や脱臼その他の怪我が原因で立てない、歩けないうさぎのために、オムツを使用することを考える人は、結構いるのでしょう。
考えてみれば、人間が高齢で寝たきりになるとオムツをするのが普通なので、寝たきりになったうさぎにもオムツが必要と考えるのは、自然な流れかもしれません。
うさぎにオムツをする場合に起こり得る問題
私はなのはっちが寝たきりになったときオムツは使わなかったので、実際に経験したわけではなのですが、うさぎのお世話をしていてよくあるトラブルとその原因を手掛かりに、起こり得る問題を考えてみます。
皮膚炎・尿やけ
うさぎは肌が弱いので、オムツかぶれ=皮膚炎に気を付けなくてはなりません。オムツは通気性が良いように作られてはいても、水を通さない構造をしていてオムツの中はおしっこしていなくても常に蒸れている状態です。
人間の赤ちゃんでも、肌が弱い子はオムツかぶれがひどく、きちんとケアしていないと痛々しい肌になってしまいます。うさぎは毛で覆われているために、さらに蒸れがひどいのではないかと思います。
寝たきりのうさぎではなく、ちゃんと歩けるうさぎをケージの外に出してあげるときにだけオムツをはかせるのとは違い、寝たきり、介護うさぎがオムツをするとすれば、24時間つけっぱなしです。頻繁にオムツを替えたとしても、皮膚炎は避けられないかもしれません。
また、おしっこをした後、すぐにオムツを替えられたらいいですが、吸収性のよい素材を使っているとはいえ、おしっこのついたオムツと肌が接したままになるので、尿やけになってしまいます。
尿やけとは、尿が皮膚につくことによって、肌が荒れる(炎症)状態のことを言います。オムツをしていなくても、おしっこがおしり周りの毛につくと、尿やけを起こしてしまいます。毛が汚れ、濡れた状態から始まり、脱毛して皮膚炎になります。
ストレス
寝たきりになると、うさぎは嫌なことをされても逃げることはできません。それで嫌がってないと思って、オムツをはかせた場合、それがうさぎのストレスになる可能性があります。
問題になるほどの強いストレスになるかどうかは、そのうさぎが元気な時はどんな性格であったか、服を着せたりハーネスを着けてもさほど嫌がらなかったかも、関係するかもしれませんね。
けれどなのはっちを介護した経験から思うのは、うさぎも性格が変わるということ。自分の体の自由がきかなくなったときに、うさぎに変化があると思います。今までの飼い主との信頼関係ができていたら、うさぎによっては飼い主を全面的に信頼して身を任せてくれることもあるでしょう。
実際、うさぎにとってオムツがストレスになっているかどうかは、飼い主にはわからないかもしれません。しかし食欲が落ちたり、元気がなくなったりしたときに「もしやオムツがストレスになってる?」と思った時には、いったんオムツを外してあげてしばらく様子を見るといいでしょう。
うさぎにオムツをしない場合に起こり得る問題
反対にうさぎにオムツをしないことによって起こり得る問題を考えてみましょう。
体の汚れ・皮膚炎
寝たきりになると、自分が寝ている場でおしっこやうんちをするので、うさぎ自身の排泄物で体が汚れてしまいます。おしこの場合には体が濡れるので、脱毛・皮膚炎になってしまいます。
うさぎの下に使う敷物の材質によっては、おしり周りだけではなく足やお腹なども尿で濡れてしまう可能性があります。寝たきりでほとんど体が動かせないために、不快な思いをしながらも、うさぎはずっと自分の排泄物の上に寝ていなくてはなりません。このような状態になっている場合は、直ちにどうにかしなくてはなりませんね。
ケージ内の汚れ
寝たきりとはいえ、少しは体が動かせる場合には、体についた排泄物がケージ内のあちこちについて汚れる可能性があります。これは即うさぎの体に害を及ぼすことにはならないかもしれませんが、不衛生であるし掃除が大変です。
寝たきりうさぎ・介護うさぎは、健康なうさぎよりもずっと手がかかります。食事を食べさせたり、排泄物の掃除をしたり、薬を飲ませたり塗ったり、グルーミングもしなくてはなりません。できるだけケージの掃除は楽になるような工夫が必要になってきます。
うさぎにオムツは必要?
うさぎにオムツをする場合、オムツをしない場合に起こり得る問題を考えてみましたが、結局どちらがいいのでしょう。うさぎにオムツは必要?それとも不要?
うさぎや飼い主の事情があるため、絶対にこれが正しいというものはないと思います。それを前提に、私の経験から導き出せる私の答えは、うさぎにはオムツは不要です。
私はうさぎの介護を経験しましたが、オムツという選択肢は全く浮かびませんでした。その時オムツという選択肢が浮かんでいたら、今どう思っていたかはわかりません。オムツで失敗したという経験もなければ、オムツで成功したという経験もありません。
けれどもオムツを使わずに、皮膚炎・尿やけにならずに過ごせた経験があります。確かに初めから成功したわけではないので、どのようにして介護うさぎ・寝たきりうさぎのなのはっちがオムツなしでも快適に過ごせたかを、次に紹介します。
オムツなしでも皮膚炎にならないおすすめの方法
うさぎのオムツなしでも、おしり周りを清潔に保ち過ごすことができたおすすめの方法を紹介しますので、参考にしてください。
肌に触れるマットは吸水性が優れたものを使う
寝たきりになると、元気なときに使ったようなすのこは固すぎて使えませんよね。そこでうさぎの体に負担がかからないような柔らかい素材のマットなどを敷くと思います。けれども問題は排泄物をどうするかです。あまり洗濯・交換のできない敷物・マットは、寝たきりうさぎの介護には使い勝手が悪いですし、不衛生になりかねません。
そこでオムツという発想があるかもしれませんが、前述の通り皮膚炎・尿やけのリスクが高くなりそうです。私はオムツは使わず、敷物・マットを選ぶことでこの問題を解決しました。次に、私が寝たきりうさぎ、なのはっちの介護に使った優れもののマット、吸水性抜群のマットを紹介します。
SUSUバスマット・速乾抗菌・36x50cm
SUSUマットは、山口市にあるうさぎ専門店の店長さんに教えてもらいました。なのはっちが寝たきりで介護状態となってから、何度も相談にのっていただきました。おしり周りがおしっこで汚れたり、うんちの上で寝てしまったりするのを、どうにか改善できないかと相談したところ、SUSUマットが良いと教えてくださいました。
実際使ってみると、コロコロうんちはマットの毛の間に入り込み、体で押しつぶしたり足で踏むことはなくなりました。おしっこの吸収も素早くて、足や体が濡れることもなくなりました。
2点、注意すべきことは、
1.マットは一日1-2回は交換が必要
2.おしっこがマットの下に少しにじみ出て来ることがあるため、マットの下にペットシーツなどを敷くとよい
です。特にSUSUマットの下にクッションなどを置く場合にはペットシーツは必須です。
以前、SUSUマットについて書いた記事(下記)は、なのはっちの使用例を写真付きで説明していてわかりやすいと思います。
マットは一日に数回交換する
もう先に書いてしまいましたが、マットは一日に何度か交換しなければ、おしっこでぼとぼとになってしまいます。それに匂いも気になりますよね。おしっこの臭いは時間が経つほどきつくなるので、うさぎのためにも飼い主、家族のためにもこまめに交換・洗濯しましょう。そうすると、SUSUマットは一枚では足りないので、少なくとも3枚は必要になります。
皮膚をきれいに保つためにすること
寝たきりになったうさぎは、自分で毛づくろいできないか、できたとしても行き届かないために、必ず飼い主の手でグルーミングすることが必要になります。
介護生活が長くなると、一日のうち何回かうさぎの食事のお世話や投薬やケージのお掃除などでうさぎをケージから出して抱っこすることがあると思います。そのときにコームやブラシで毛の汚れを落としながら、皮膚に炎症がないか、寝たきりの場合には床ずれがないかを観察しましょう。
必要に応じて水で濡らした脱脂綿で、皮膚の汚れや毛の汚れをふき取ったり、皮膚の消毒をしたり、炎症や傷がある部位には薬を塗布、または皮膚の保護剤として優秀なワセリンを塗りましょう。
うさぎは本来、こまめに念入りにグルーミングして健康を保っています。けれどうさぎ自身でグルーミングできなくなると、飼い主が代わってグルーミングしなくてはなりません。さすがに一日中してあげることはできないので、少なくとも一日に1回は体全体をきれいにしてあげましょう。汚れを放置すればするほど、汚れを取りにくくなり、皮膚病の原因にもなりますので、可能な限り手をかけてあげましょう。
寝たきりうさぎにありがちな、毛がカチカチに固まった汚れ、床ずれなどの問題とそれらの解決策を紹介している記事がありますので、参考にしてください。