子宮の病気

なのはっちが経験した子宮の病気について。病気になる危険性、健康チェックポイントなどについてまとめました。
2016年1月27日に追記あり。 「手術するかしないか」と血尿、おしっこ検査の試験紙について書きました。

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♀うさぎの6-7割が子宮の病気になる

うさぎの女の子は、子宮の病気になる可能性がとても高く、6歳の♀うさぎのうち6-7割は卵巣や子宮の腫瘍性疾患が認められると言われています。なのはっちがまだ生後半年の頃から、私はなのはっちの子宮疾患予防のために避妊手術を受けるか迷っていました。

予防のために避妊手術をするかしないか

避妊手術とは妊娠を避けるためにする手術で、卵巣・子宮を摘出することです。何か月も迷い、調べても調べても迷いや不安が消えることがありませんでした。そこで私はいつまでも迷いが消えないのなら、命のリスクを伴う手術はしないと決めました。
その代わり、なのはっちの些細な異変にも気づけるよう、毎日身体や排泄物の観察をすることにしました。うさぎは身体の不調を隠す動物です。それは自然界で捕食される生き物の宿命ともいえるでしょう。弱っていることを悟られると、標的にされてしまうからですね。私は毎日、ケージのお掃除と食事の際に、なのはっちのおしっことうんちを観察しました。少なくとも1日1回は身体全体をチェックすることも忘れませんでした。

私はそのような選択をしましたが、メスうさぎの飼い主は避妊手術をするかしないかで、頭を悩ませることでしょう。手術するかしないかは、獣医師であってもどちらが正解であるという答えは出せないと思います。若いうちに子宮疾患にかかり、治療方法が手術しかないというならまだいいのですが、高齢になってくると手術に耐えられるかという問題も出てきます。高齢になると体力が落ちてきますし、脂肪も多くなっていて手術しにくくなるそうです。また他に気づいていない疾患があった場合、その疾患によっては手術時の大きなリスクとなることがあります。

考え方としては、非常に高確率で子宮の病気になるメスうさぎに、リスクの比較的低い若いうちに予防措置として避妊手術をするか、それとも子宮の病気にならないかもしれないという(低い)可能性を重視し、あるいはもし子宮の病気になった場合、それを運命と受け止めてその時できる最善を尽くすと決めるかだと思います。いずれも簡単な選択ではないと思いますが、飼い主はよく考えて決断しなくてはならないことですね。

万が一、手術中に死んでしまった場合、可能性として理解はしていてもその喪失感は表現できないほど大きいと思います。逆に手術をしない選択をして、高齢になって子宮ガンになり、ただ衰弱していく姿を見るのもかなり辛いことだと思います。いずれの選択をするにしても、万が一のときの気持ちの持ちようと、対処の仕方を決めておくとよいかと思います。

毎日健康チェック! 観察のポイント

私は避妊手術をしない選択をしました。その代わりに毎日、少しの変化でも気づけるように観察をしました。

観察のポイントは
☑ おしっこの色、量
☑ おしっこする場所
☑ うんちの大きさ、色、量、におい
☑ 尻尾やお尻周りの汚れ
☑ 口、鼻の周り
☑ 耳の中
☑ 手足の汚れ
☑ 目の周りと目の濁りなど
☑ 歩き方
☑ 食欲
☑ 活動

これらの項目のうち、日々の生活の中で何となくケージ越しに目に入るときにわかることもあります。とにかくいつもと少しでも違うことがあれば、気がつくように毎日観察していました。異常に気付くためには、何もない普段の状態を熟知していることも必要です。それが手術をしない選択をした、私の責任であり義務と感じていました。

うさぎのおしっこの色に注意しよう

子宮疾患があると、おしっこに血が混じることが多いので、できれば定期的にうさぎのおしっこの検査をすると安心できます。以前はアマゾンでも潜血がチェックできる尿試験紙を買うことができたのですが、なくなってしまいました。どうしても手に入れたい方は、薬局で訪ねてみてはいかがでしょう。

また、食べた牧草の種類によっては正常でも赤いおしっこが出るときがあります。逆に血が混じっていても微量なら見た目は普通のおしっこの色です。それでも潜血反応ではちゃんと陽性と出ますので、目で見た色だけで判断せず尿試験紙があればチェックしてみましょう。陽性の場合や尿試験紙がない場合には、病院を受診して検査してもらいましょう。

おかしいと思ったら、食欲があってもすぐに病院へ

身体が汚れるのは、何かのサイン

観察を続けていると、異変に気がつきました。尻尾におしっこが少しつくようになったのです。はじめはたまたまおしっこの角度が悪かったのかなと思いましたが、次の日も、その次の日も、少しだけですが尻尾がおしっこで汚れるのです。

食欲は普段通りありましたし、元気もありました。

次第に尻尾からおしりにかけて炎症がみられるようになりました。始めは皮膚炎かと思い、自宅でおしりを洗っていました。しかし何度洗ってもまた汚れました。それが2か月ほど続いたと思います。これは単に皮膚炎ではないのかもしれないと思い、動物病院へ行くことにしました。

まさかの子宮疾患!

受診した病院には、うさぎが看れる先生がいました。X線を撮ってみると、子宮が異常に腫れていることがわかりました。先生から子宮がかなり腫れているので、卵巣と子宮を摘出することをすすめられました。

もうここまで来ると、迷っている時間はありません。すぐに手術の予約をしました。

この頃、なのはっちの食欲が少し低下していました。異変があったらすぐにと決めたわりには、時間がかかってしまったことを反省しました。

子宮を摘出した結果、子宮内膜症であることがわかりました。肥大した子宮内膜と、子宮内に出血も見られました。先生による目視の判断で、腫瘍ではないので病理検査は不要と言われました。

術後もしばらくは目が離せません

実はこの病院、うさぎのことをよく考えてくれていて、術後に傷を舐めないようになのはっち用にTシャツを作ってくれていました。入院もストレスだろうということで、術後しばらく様子を見て、大丈夫とのことなので入院なしで帰宅しました。

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写真はなのはっちの術後順調に回復しているときの姿です。Tシャツは手術後の傷を舐めないようにするために着せています。犬や猫などが使うエリザベスカラーは、うさぎにはストレスがかかりすぎるとのことで、動物病院の先生が作ってくださいました。

入院なしなのは体調が良好だからではなく、できるだけストレスのない環境で回復するのが良いとの先生の判断によるものです。会社務めなどで、家を留守にしがちな家庭では困難なことですね。

とにかく術後数日、特に当日はいつ死んでもおかしくないほど衰弱しきっていました。次の日ぐらいから、ちょこちょこと食べ物や飲み水を自分から欲するようになってきて、嬉しかったのを覚えています。食べ物を自発的に食べるようになってからの回復の速さには、驚きました。

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