逆さまつげがある場合の処置

人間と同じように、うさぎにも逆さまつげがあります。原因はさまざまあるようですが、ここでは原因を探るよりも、逆さまつげがあるときの処置に絞ってまとめてみたいと思います。

まつげの役割と逆さまつげ

そもそもなぜまつげがあるのでしょう。逆さまつげのことを考える前に、まつげの役割について考えてみましょう。

まつげの役割

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人間だけではなく、動物にもまつげがありますよね。恐らく皆さんがご存知のように、まつげには目にごみが入りにくくする役割があります。まぶたの上に毛が生えていることで、目へのごみの侵入はそんなに減るのでしょうか。

人間の赤ちゃんは、生まれたときにはまだ完全にまつげが生えていないそうです。そのために、赤ちゃんの目はごみが入りやすいそうです。確かに赤ちゃんって、よく目から涙を流したり目やにが出やすかったりしますよね。それは目に入ったごみを洗い流すためなのです。

目にごみを入るのを防ぐ以外にも、まだあるのです。まつげの役割が。以下、まつげの役割をまとめます。


1.ごみの侵入をふせぐ
2.目の乾燥を防ぐ
3.目を閉じるセンサー

まつげが生えていることで、目の乾燥が防げるらしいです。まつげは、風が目の表面に直接当たるのを防いでくれているのですね。目が乾くと目がかすみますよね。理由は目の表面が濡れていないと、光がまっすぐに目の中に入らないからだそうです。目が乾くとまばたきしにくいし痛いですよね。目が乾燥すると、目の機能が低下してしまうので、乾燥を防ぐためにまつげがあるのですね。

またまつげはセンサーの役割もしています。目の中にごみなどの異物が近づいてきたら、それを察知して反射的に目を閉じるのです。まつげは目を開けたままにしているときでもごみの侵入を防ぎますが、目に何かが近づいてきたときに事前に察知するセンサーでもあるのですね。

逆さまつげとは

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逆さまつげとは、まつげが本来あるような外向きに生えずに、目に向かって下向きに生えるまつげをいいます。抜けたまつげが目に入って痛い経験をした人は多いと思います。逆さまつげは外向きではなく眼球に向かって生えるので、眼球に触れて痛いです。症状については、次に詳しく書きます。

逆さまつげになったときの症状

自分の目の中に、ごみや抜けたまつげが入ったときのことを思い出してみるとよくわかります。痛いですよね。そして涙が出ますよね。うさぎも同じです。

逆さまつげの場合、ごみが入ったときとは違って一過性のものではないために、逆さまつげを抜かない限り、ずっと痛みは続きます。そのため目の防御作用から涙が出続け、目やにも出ます。

涙が出続けると、目の周りの毛がずっと濡れた状態になることで、脱毛することがあります。また、毛の白いうさぎの場合には、涙の成分により毛が茶色くなります(涙やけ)。

逆さまつげの症状
1.痛そうに瞬きする
2.涙が出る
2.涙やけ・脱毛
4.目やに

逆さまつげを放って置くとどうなるか

なのはっちは逆さまつげでした。定期的に逆さまつげを抜いていました。逆さまつげは適切な処置をしなければ、上記の症状はおさまりません。

うさぎは多くの場合、毛が濡れた状態が続くと皮膚炎になります。皮膚炎になると患部は脱毛します。また逆さまつげを放置していると目を傷つけ、角膜炎や結膜炎になってしまいます。角膜炎を何度も繰り返すうちに、視力が落ちてくることがあるので、注意したいですね。

なのはっち目の周り皮膚炎で脱毛
なのはっち目の周り皮膚炎で脱毛

逆さまつげを放置していると、
1.皮膚炎・脱毛
2.角膜炎
2.結膜炎
4.視力低下
の危険があるので注意しましょう。

 

逆さまつげがある場合の処置

もっともおすすめしたいのは、動物病院で適切な処置を受けることです。そのうさぎにとって、何が適切であるかは、診察した獣医師の判断にゆだねられますが、以下のような処置があります。

抜毛

もっとも一般的ですが、まつげは抜いてもまた生えてくるために、うさぎが生きている間はずっと抜毛のために通院する必要があります。逆まつげが眼球に触れるぐらいに伸びてくる時期が訪れるたびに通院します。通院頻度はだいたい1ヶ月に一度くらいになるでしょう。

ダッチうさぎ

なのはっちは抜毛派でした

なのはっちも、もともとは腕のよい獣医師さんに抜いてもらっていました。けれど遠くに引越しして、初めて訪れた動物病院で、まつげを抜いてくださいというと、全身麻酔しなければいけないといわれ、驚きました。別の獣医師に見てもらうと、麻酔は必要なく、鉗子(かんし)ではさんで抜いてもらいました。けれども・・・問題の「逆さまつげ」そのものではなく、その上の毛しか抜いていませんでした。

あの腕のいい獣医師は、毛抜きでささっと早業で逆さまつげだけを抜いてくれていました。さすがは手術が上手いと評判の獣医師。けれど私が住む地域では、一番設備も人も整っている動物病院でしたが、残念ながら逆さまつげを抜いてはもらえませんでした。

仕方がないので、危険を承知で私が毛抜きでなのはっちの逆まつげを抜いていました。細菌感染防止のために、必ず毛抜きをアルコール消毒して、乾かしてからすばやく抜いていました。

引っ越してから死ぬまでの3年ほど、幸運なことに私が抜毛したことによる眼のトラブルは、一度もありませんでした。けれどもやっぱり、私は自分で抜くことはおすすめはできません。抜毛によるトラブルとして考えられるのが、毛抜きなどが眼球にあたり、角膜を傷つけてしまうことです。

角膜が傷つくと激しい痛みを伴いますが、その傷は、治りも早いです。ところが悪化してしまうと、細菌感染を起こします。細菌感染により、視力が失われることも多いので注意したいですね。ちなみになのはっちは、逆まつげが原因だと思いますが(若干、処方された目薬を疑っていますが・・・)、角膜に傷がつき、病院でもらった目薬をさして1-2日、見る見るうちに悪くなり、感染症で眼球に膿が溜まりました。この件はまた別記事(目の病気関連)で書きたいと思います。

レーザー(永久脱毛)

レーザーを扱っている動物病院では、逆さまつげを治療してくれるところもあるようです。どのようなことをして治療するのか説明するために、まずはレーザーって何かというところから、簡単に説明します。

レーザーって何?

簡単に言うと、「光」です。でも自然光とは違います。自然光は虹で見ることができるように、7色あるといわれています。色の違いは、光の波長の違いです。プリズムに自然光をあててみると、虹のような7色の光が見えます。これは自然光にはさまざまな波長の光が存在し、それらが異なる屈折率を持つために、色ごとに光が分かれて見えるのです。

レーザーの特徴

レーザーは人工的に1種類の波長(色)だけを取り出したものです(レーザー光=単色)。特徴は
1.増幅することで強力なエネルギーを持つ
2.レーザー光は拡がらない

レーザー 医療・美容での活用

まず「レーザー光が単色である」とはどういうことかというと、レーザー光の力を強めることができます。さらにレーザー光は自然光と違って拡がらないことにより、狙った場所に光をあてることができます。これらにより、さまざまな用途が可能になります。たとえばレーザーメスで皮膚を切ったり、レーザー光線でしみを除去したり、永久脱毛なんかでも利用されますよね。この永久脱毛という使い方が、逆さまつげの治療と同じですね。

レーザーでどのようにして皮膚が切るのかというと、レーザー光のエネルギーを高くして、切る部分を光の熱で溶かすのです。また、本題である逆さまつげの治療ですが、レーザー光で毛根部を組織破壊することで半永久的に脱毛が可能になります。レーザー光は広がらないので、非常に小さな部分にも使えるのですね。

手術

逆さまつげはまぶたの形やまつげの生え方などが原因ですが、その原因を手術で取り除いて治療する方法もあります。逆さまつげに苦しむ人が手術で改善したという事例がたくさんありますが、動物に対して手術を行うことが果たして最善かというと、私にはわかりません。

それ以前に、人間と同じような手術を施す動物病院があるかどうかすらわかりません。私がインターネット検索で調べた限りにおいては、動物に対しては手術よりは抜毛、永久脱毛が主流のようでした。

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