斜頸(しゃけい)病院と家庭でできること

我が家のうさぎが3歳4ヶ月のとき、斜頸になりました。斜頸の原因、治療、家庭でのケアについて詳しく解説します。症状が安定するまで病院通いをした記録や、斜頸のまま生涯を閉じた11歳4ヶ月までの家でのケアについても公開しています。

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斜頸とは?

「斜頸」とは首が傾いていることを言います。病名ではありません。また、斜頸はうさぎ特有の現象ではなく、犬、ネコ、人間にも起こります。斜頸は、ざっくり表現すると平衡感覚をつかさどる「前庭」という器官に問題があるために起きると言われています。原因はさまざまなので、後で詳しく説明します。

まず、前庭とはいったい何でしょう。平衡感覚をつかさどると書きましたが、有名な「三半規管」という言葉を聞いたことある方は多いのではないでしょうか。

耳には鼓膜がありますが、鼓膜の内側には中耳と呼ばれる部分があります。その奥に内耳と呼ばれる部分がありますが、前庭は内耳にあります。内耳は三半規管と蝸牛、そしてその間に位置する前庭といわれる部分からなっています。下にラフな絵があります。

内耳の形

引用元:前庭 | ウィキペディア

ラフな絵のほうが説明するとわかりやすいと思います。絵の左側に3本の管みたいなものがあります。ここが三半規管。そして右側には渦巻状のものがあります。カタツムリみたいなので蝸牛と呼ばれています。そして両者の間が前庭と呼ばれています。次はちょっと詳しい絵を見てみます。前庭の中身がわかります。

内耳の構造

引用元:前庭 | ウィキペディア

上の図を見るとわかると思いますが、前庭には卵形嚢と球形嚢があり、これらはそれぞれ水平運動と垂直運動を感知する働きをします。三半規管は回転運動を感知します。前庭と三半規管は平衡感覚を感じ取る器官というわけです。これに対し、蝸牛は聴覚に関わる器官です。うさぎの斜頸・眼振・ローリングに関わっているのは、前庭といわれています。

前庭での平衡感覚機能が正常に働かなくなると、眼振・ローリングが起こります。そして首が常に傾いた状態になります。これを斜頸と呼びますが、病名ではなく首が傾く現象のことです。

斜頸の症状と初期の対処方法

なのはっちが斜頸になったのは、2007年。3歳4ヶ月だったとき、突然身体がふらつき始め、激しいローリングが始まりました。ローリングとは、身体が倒れて床にゴロゴロと転がることをいいます。ちょうど4ヶ月前に子宮内膜症の手術を終え、順調に回復して一安心していた矢先の出来事でした。

一般的に初期の症状は、床に倒れてそのまま横にゴロゴロと転がります。眼振(がんしん)が見られます。眼振とは、本人の意思とは無関係に眼球が左右にまたは上下に揺れ動くことをいいます。眼球の動くスピードは、かなり速いです。

私自身も眼振の経験がありますが、激しいめまいが起きたときに同時に眼振が起きます。その時はどちらが上か下かわからないぐらいの激しいめまいのため、立つことができません。おそらくうさぎもそんな状態で、床をゴロゴロ転がるのだと思います。

私の経験では、眼振は自分では動かせないほどの速さで眼球が左右に動き、目を開けているのが怖いほど。目を閉じてもグルグル周っている感覚は消えません。

ローリングが始まる直前の様子

なのはっちが初めてローリングする瞬間を見ましたが、その少し前から明らかに様子がおかしかったです。目を見開き、驚いたような表情、かろうじて立っていると感じるような脚のふらつき。やや身体も低姿勢だったような気がします。何かおかしいと思って見ていたときに、ローリングが始まりました。腹ばいの状態から、一気にグルンと1回転で、また腹ばい状態。するとすぐにまた1回転。回転はとても速いです。

ローリングのときの動画は撮っていません。私はうさぎ飼育書やうさぎ雑誌で斜頸のことを知り、ローリングとはどんなものか、文章で読んで知っていました。実際にローリングを見なくても、それとわかるほど異常な動きなので、ローリングの動画を見なくてもわかると思います。YouTubeで「うさぎ ローリング」などというキーワードで検索すると、動画を見ることもできます。

ローリングが始まったときの対処方法

まずは安全確保

うさぎのローリングが始まったとき、まず最初にすることはうさぎの身体を守ることです。うさぎはローリングや眼振によって、パニックになっています。自分の意思とは関係なく回ってしまうので、ケージ内のあちこちにぶつかり、怪我をする可能性は非常に高いです。

運よくその瞬間に家にいたならば、うさぎを抱っこしたり、周りを柔らかなクッション性のあるもので覆った、小さな空間の中に入れてあげてください。この間は当然、お水を飲んだり食べ物を口にすることはできませんので、水などの容器類はうさぎの傍に置く必要はありません。ローリングの際にぶつけて目などを怪我する可能性のある容器類、おもちゃなどは置かないようにしましょう。

次にできるだけ早く受診

その次にすべきことは、獣医師に見てもらうことです。初めてローリングが始まったときから、投薬などの処置が早ければ早いほど、回復の可能性が期待できるそうです。そのため、うさぎがローリングをし始めたときが何時であっても、今うさぎを診てくれる動物病院を探す努力をしてください。通常の診察時間外のときは、かかりつけでなくてもいいと思います。とにかくすぐに診てもらうようにしましょう。

もしも次の日まで診察をしてもらえる病院がない場合は、それまでの間、うさぎがローリングしても怪我をしないような処置をとり、こまめに水分補給をしましょう。できれば食事も摂らせたいですが、こうなってしまったうさぎは、まず自力では食べません。ペレットを口元に持っていっても食べないときは、強制給餌しかありません。斜頸そのもので命を亡くすことはないそうですが、斜頸で食べることができなくなり、命を落とすうさぎがいるということを忘れないでください。矯正給餌の方法は、下記リンク記事を見てください。

うさぎが食べないときは、危険な状況にあることを認識しなければなりません。犬やネコと違い、うさぎは丸1日食べない状態は命の危機であることをぜひ...

斜頸の原因

斜頸になる原因はいくつもあり、上手くまとめられた英語のサイトがあったので、そちらを参考にしながら解説していきます。

Possible causes of head tilt (also known as torticollis or wry neck) are:

        

  • Middle/inner ear infection (otitis media /interna)
  • Stroke (cerebrovascular accidents)
  • Trauma
  • Cancer (neoplasia)
  • Cervical muscle contraction
  • Encephalitozoonosis
  • Cerebral larva migrans
  • Intoxication

引用元:Head Tilt | House Rabbit Society

以下、日本語訳です。

斜頸の原因

        

  • 中耳・内耳の感染
  • 脳卒中などの脳血管障害
  • 外傷
  • 癌(腫瘍)
  • 首の痙攣
  • エンセファリトゾーン(微胞子虫)
  • アライグマ回虫(幼虫移行症)
  • 中毒

以下、引用元のサイトHead Tilt | House Rabbit Societyを参照しつつ、順に解説していきます。なお、参照サイトのすべてを翻訳しているわけではありません。必要な部分を翻訳し、さらに必要と思われる情報は、私がわかる範囲で補足しています。

中耳・内耳の感染

外耳の感染から次第に中耳・内耳への感染の広がりや、上気道感染、鼻腔や血流からの感染が考えられます。感染部位から見つかった細菌の種類は以下の通りです。

ブドウ球菌、緑膿菌、パスツレラ、気管支敗血症菌、プロテウス・ミラビリス、表皮ブドウ球菌、バクテロイデス属、大腸菌。これらは特殊な場所にいる細菌ではなく、普通に生活している環境の中に存在しています。

細菌感染によるものであれば、通常は抗生剤を投与・服用することにより改善します。抗生剤での効果を期待するには、できるだけ速やかに動物病院へ行くことが肝心です。処置が早ければ早いほど、抗生剤の効果が期待できるということでしょう。

参考サイトには抗生剤の種類や、利きが悪いときの手段まで書いていましたが、私たちは信頼する獣医師の判断に任せるしかなく、インターネットであまりにも専門的な情報を流しても意味がないと思い、翻訳しませんでした。

どうしても知りたい方は、linkHead Tilt(斜頸)のページを参照ください。

脳卒中などの脳血管障害

脳血管障害でも、斜頸になることがあります。脳血管障害とは、脳の血管が詰まったり(閉塞・狭窄)破れたり(出血)など、血管に異常が現れることを言います。一般に脳卒中と呼ばれているものです。通常はうさぎにこのような疾患の診断を下すのは難しいとされています。

脳血管障害であった場合、死にいたる確率は高いですが、幸運にも死にいたらなかったとしても、半身が思うように動かなくなります。たとえば身体の左右どちらか半分が動かなくなると、顔の半分には力が入らずよだれを流したり、歩くのもまっすぐ歩けずにクルクルまわったりします。

脳血管障害が原因の場合には、抗生剤は細菌感染の予防目的で飲ませることはあっても、今ある症状を緩和あるいは完治させる効果はありません。

鍼(はり)は試す価値ありとも言われていますが、継続が必要です。また必要に応じて水や食事の介護は必要です。動かせない身体の部分に対しては、気をつけて観察し、必要に応じてマッサージなどするとよいでしょう。

人間の場合と同じく、緩やかに身体の機能を回復していくので、数ヶ月、数年単位で回復度を見ていくことが大切です。

外傷

顔、首、頭の打撲により、脳が損傷することで斜頸になることがあります。うさぎは臆病な生き物なので、びっくりしたときなどパニックになり怪我をし、斜頸になることがあります。外傷の程度にもよりますが、抗炎症剤が回復を早めてくれることもあります。

癌(腫瘍)

脳、首、耳に腫瘍ができることにより、斜頸の症状が現れることがあります。

首の痙攣

筋肉の痙攣により、一時的に斜頸になることがあります。この場合には筋肉の緊張がほぐれ、痙攣がおさまると斜頸の症状も消失します。

エンセファリトゾーン(微胞子虫)

エンセファリトゾーン・カニキュリ(Encephalitozoon cuniculi)という、原虫の一種が原因の脳の病気(髄膜脳炎 meningoencephalitis、顕微鏡で見えるような小さなのう胞 microscopic cystsなど、脳の炎症)です。

エンセファリトゾーンに感染して脳に障害が出ると、身体が麻痺します。身体の動きは、脳の特定の部分によってコントロールされているので、脳に障害がある部分がコントロールしている身体の部位に麻痺が生じるのです。

エンセファリトゾーンであれば、斜頸に先立ち足を躓いたり引きずったり、倒れたりします。これらの症状は、斜頸が現れる数週間前あるいは数ヶ月前に消えることがありますので、斜頸になる前にいつもと違うことがあれば、記録に残して動物病院に伝えるとよいかもしれません。

血液検査により、エンセファリトゾーンに感染しているかどううかを知ることができます。エンセファリトゾーンの抗体検査ですが、外部委託による検査で結果がわかるまでに何日もかかること、感染してすぐに抗体価が上がるわけではないこと、さらに感染はしていても必ずしも発症するわけではないということがあり、迅速にかつはっきりと診断を下すのが難しい病気でもあります。

また日本ではエンセファリトゾーンのことをあまりご存知ではない獣医さんもいらっしゃることが、さらに診断までに時間を要する原因にもなっていると思います。疑いがあるときは、ぜひ飼い主側も積極的に情報収集されることをおすすめいたします。また、飼い主のそのような行動に対して、好意的・協力的な獣医さんに出会えることが、結果として納得のいく治療の方向性を見出すことになると思います。

アライグマ回虫(幼虫移行症)

ベイリスアスカリス属は回虫で、アライグマやスカンクの腸内に寄生しています。米国ではアライグマの生息数が多いために、庭の芝生から人間に感染した例がいくつも報告されています。日本でのアライグマの生息場所は、動物園、野生、ペットショップ、家庭であり、全く可能性のないわけではないので、頭の片隅には置いておきたい知識です。

うさぎがアライグマ回虫に感染するきっかけとして考えられるのは、アライグマの糞で汚れた草やフードなどを食べることです。アライグマ回虫に感染しているアライグマの糞の中には虫卵があります。虫卵が口から身体の中に入ることによって体内で孵化し、幼虫はうさぎの脳内へ移行します。幼虫は脳内で育ちながら脳組織を破壊していきます。糞を直接口にしなくても、糞の中にある虫卵が土塵として風に舞い、口に入ることもありますので、アライグマに接するときには注意したいですね。

アライグマ回虫症の治療法はありません。けれどもアライグマ回虫の駆除薬はいくつかあるようです。linkHead Tilt(斜頸)のページに載っていた駆除薬はアイバメクチン(Ivermectin)でした。しかし脳内に移行してしまった後では、回虫を駆除できるほどの量の薬が脳内まで届かないのではないかと言われています。駆除薬が有効なのは、幼虫が脳に移行する前と言われています。けれども実際、脳内に幼虫が移行して脳の障害が身体に現れるまで気付かないのだとすると、駆除薬は有効な方法とはいえないかもしれません。

また、脳組織の障害は駆除薬では治りません。この病気に関してできることは、飼い主またはうさぎがアライグマの生息場所に行き、かつ感染の危険性がある場合に、発症予防として駆除薬の使用を検討することぐらいでしょう。

アライグマ回虫については、上記参考サイトのほか、linkアライグマ回虫のガイドライン 30p-39p | 厚生労働省も参考にしました。

中毒

鉛中毒は鉛を経口摂取することが原因と言われています。塗料、陶磁器のうわぐすりとして使用する釉薬(ゆうやく)にも鉛が使われていることがあり、何らかの原因で鉛が溶け出て鉛成分を経口摂取することがあります。また毒性のある植物(トウワタなど)を食べることにより中毒症状を起こすので注意しましょう。

鉛中毒の原因のひとつとしてあげられている釉薬は、陶磁器のうわぐすりとして日本では使われています。鉛含有のうわぐすりの使用禁止は、伝統工芸を守るためにも現実問題として難しいらしく、製造工程により鉛が溶出しないようにしているようです。調べていると酸性の食品を入れると鉛が溶出するという情報も見られ、そのあたりの事実確認は個人レベルでは無理なので、うさぎに使う食器類はできるだけプラスチック製、ステンレス製を選ぶのが無難だと思いました。ちなみに酸性の食品でうさぎに与える可能性のあるものは、くだものです。ペレットのような固形物であれば、鉛溶出の危険性はきわめて低いのではないかと思います。

また、プラスチックなどで塗料が使われると思いますが、塗料にも鉛は使われていました。現在は国(日本)レベルの規制はなく、業界の自主規制により鉛含有の塗料は使わないことになっているようです。したがって、プラスチック製のほうが鉛という点においては、陶磁器よりも安心なのかもしれません。ちなみにアメリカでは1978年に鉛含有の塗料が禁止されたようです。

鉛中毒について、参考にしたその他のサイト

鉛中毒の記述については、上記「Head Tilt(斜頸)のページ」の他、以下のサイトを参考にしました。

link鉛中毒 | MSDマニュアル(プロフェッショナル版)
link無鉛化のページ | ウィキペディア

有毒な植物について、参考になるサイト

有毒な植物については、
link有毒植物に要注意 | 厚生労働省
を参考にしてください。ここに載っているものがすべてではないと思いますし、うさぎには毒性を示さないものもあります。内容をよく読んでご利用ください。

斜頸の治療と治癒の可能性

斜頸の治療

うさぎが診れる動物病院へ行くと、以下の3方向からの治療が検討されるでしょう。

        

  • パスツレラなどの細菌感染への対処 抗生剤
  • 炎症への対処 ステロイド剤
  • エンセファリトゾーン(原虫の一種)の駆除 駆除薬(駆虫薬)

血液検査の結果から、細菌感染している可能性、炎症の有無などを判断すると思います。細菌感染の場合には、抗生剤が処方されます。エンセファリトゾーンについても血液検査でわかりますが、検査機関が限られており、外注になるために結果がわかるまで日数がかかります。

もしもエンセファリトゾーンであった場合、結果待ちの間にも脳の障害が進みます。一度ダメージを受けた脳組織は回復しないので、診察して可能性があると判断した段階で結果を待たずに駆除薬の投与を開始する場合もあると思います。

駆除薬はフェンベンダゾールですが、副作用は骨髄の働きを抑制するので、白血球・赤血球・血小板など骨髄で作られる血液成分が少なくなることがあります。血液検査をして経過を見ることが必要です。

ステロイド剤は、炎症を鎮める作用があるために使われます。炎症の原因は特定できなくても、現に炎症が認められたときには投薬されますので、斜頸で初診のときにはほぼ処方されるのではないかと思います。

ただ、斜頸の原因がパスツレラなどの細菌感染であった場合に、ステロイド投与で悪化する場合があるということで、使用したくないと考える獣医師もいるようです。このあたりは実際に診察に当たった獣医師の考えによるところが大きいので、不審な点、納得がいかない点があれば、そのときに説明を求めるとよいと思います。治療は飼い主と獣医師の信頼関係がとても大事ですから。

治癒の可能性

炎症や筋肉の痙攣などにより、一時的に斜頸になっている場合は、投薬と家での介護により完治する可能性があると思います。しかし脳組織が損傷された場合には再生が不可能なために、回復を期待することはできないと言われています。ただ首の傾きは残ったとしても、非常にゆっくりですがよい方向へ向かうこともありますし、うちのなのはっちのように斜頸でも次第に慣れて、普通に生活できるようになります。

斜頸が原因の怪我や病気の予防も大切

気をつけたいことは、斜頸が残った場合に体の重心がずれることで、高齢になってくると足腰に不具合が現れることです。早くから対策をしておくと、足腰の弱りを遅らせることができるのではないかと思います。たとえば鍼やレーザーなどが有効ではないかと考えます。

斜頸により、正常な体位に比べて過度に体重を支えなければいけないほうの肢に特に注意してください。人間ならば関節が痛いと訴えることができますが、うさぎはできません。

しかも不調を隠す生き物ですから、予防的に鍼、レーザー、費用の面で苦しいのであれば、自宅でマッサージをしてあげると将来違ってくると思います。

私はなのはっちの斜頸を経験して、首の傾きばかりを意識していましたが、同じように首が傾くことによる身体の負担にも、もっと注意を傾けるべきだったと反省しています。鍼やレーザーはお金がかかるので、マッサージはとてもおすすめだと思います。一日の終わりに、コミュニケーションと健康管理を兼ねて、まったりとマッサージをするのも良いですね。

その他、目の怪我や病気にも気をつけましょう。首の傾きが大きい場合、下側にくる目を傷めることが多くなるし、なのはっちのように逆まつげになる可能性もあります。目の炎症から細菌感染に進み、放置していると大変なことになりますので、注意してください。詳細は次の見出し「家でやるべきこと 4つ」に書きます。

家でのケア

家でやるべきこと 4つ

うさぎが斜頸になったら、家でどんなことに注意しなくてはならないか、何をしなくてはならないかを、実際に斜頸だったなのはっちと暮らした経験を元にまとめました。

  • 食事の介助
  • 身体の保護・観察
  • リハビリ・マッサージ
  • グルーミング

以下、各項目ごとに説明します。

食事の介助

食欲は毎回チェックしてください。斜頸がひどいときは食欲が落ちたり、全く食べられなくなることがあるので、きちんと食べているか、お水を飲んでいるか確認します。食べる量が減っていたら、食事を介助します。口元に持っていくだけで食べてくれるときもあれば、ひと工夫すると食べてくれるときもあります。

ひと工夫の例として・・・
☆ペレットを水でふやかしてみる
☆ふやかしたペレットを食べやすい大きさに丸めて口元に持っていく
☆好きな食べ物をあげて、食欲を引き出す
☆または好きな食べ物と一緒にふやかしたペレットをあげてみる

全く食べる様子がないときは、一大事です。すぐに動物病院へ行きましょう。家では自力で食べるようになるまで、強制給餌が必要になるでしょう。強制給餌の方法は、下記リンクを参照してください。

うさぎが食べないときは、危険な状況にあることを認識しなければなりません。犬やネコと違い、うさぎは丸1日食べない状態は命の危機であることをぜひ...

身体の保護・観察

ケージ内の環境を整える

まず初めに気をつけたいことは、うさぎが自分の身体を安定して支えることができているか確認しましょう。足元もおぼつかなくすぐに転倒する場合には、ケージ内での事故防止のため床材や物の配置を検討してください。

自分で立てないときには、狭い空間を作って転んでもやわらかいクッション性のあるもので支えられるようにします。ケージ内側面にクッションや毛布のようなもので囲います。なのはっちの斜頸がひどいときのケージ内写真がないので図で示します。必要に応じて、お尻部分にもタオルやクッションなどを置いてみましょう。

斜頸がひどい時 転がっても怪我をしない対策一例

斜頸がひどい時 転がっても怪我をしない対策一例

目のケア

首の傾きが大きい場合に気をつけることは、目の炎症です。うさぎが身体を休める際に、目が床につくような場合には特に注意してください。床などで目を傷つけてしまう可能性があるからです。また目が乾燥したり、逆に涙で目の周りが濡れたりすることがあります。そのような場合には、ひどくなる前に必ず動物病院を受診しましょう。

肝心なのは病院へ行ったあとです。病院の指示通り、きちんと家で洗浄や点眼をしなければ改善しません。放置するとあっという間に悪くなってしまいますので、あきらめず根気よくケアしましょう。

なのはっちの場合は、逆まつげになりました。長年首が傾いていたせいか、まつげが眼球にくっついてしまうのです。それが刺激になり、ずっと涙が出続けていました。動物病院へ行って、定期的に逆まつげを抜いてもらっていましたが、そのうちに私は自分でなのはっちの逆まつげを抜くようになりました。引越し先の一番大きくてうさぎも診れる、近所では数少ない病院へ行っても、逆まつげの処置ができない先生がいたり、処置できても不十分な抜き方だったりしたこと、頻繁に通院することが、かえってなのはっちのストレスになることから、自宅で抜いていましたが、危険なのでおすすめはできません。

常に涙で目の周りの毛が濡れた状態になると、下の写真のように脱毛してしまうので、動物病院を受診して獣医師の指示どうりのケアを行ってください!

なのはっち目の周り皮膚炎で脱毛

身体をよく観察する

一日に一度はうさぎの身体全体をチェックしましょう。食事の介護をしたり、ケージのお掃除をしたりするときがよいでしょう。ざっと身体全体を見て、汚れがないか確認します。身体の汚れは不調のサインです。うさぎはきれい好きでいつもグルーミングしています。けれども身体のどこかが悪いと、グルーミングができなくなることがあります。そういう目で、よく観察してくださいね。おかしいなと思ったら、すぐに動物病院を受診しましょう。

リハビリとマッサージ

うさぎのマッサージ

うさぎの身体をチェックするときに、マッサージやリハビリもやってしまいましょう。いつも不自然に曲がっている身体の部位があれば、そのあたりの硬直した筋肉をさすって少しほぐしてあげましょう。障害により動かせない身体の部分を、無理のない程度に動かしてあげることは進行を遅くすると思うので、よいと思います。リハビリのようなものですね。

そのときの注意点は、うさぎは骨がもともと弱い生き物であること、その上高齢や病気などによって、さらに骨が弱くなっているかもしれないという意識で、ゆっくり丁寧に、力(ちから)加減を控えめにしてあげてください。1回にたくさんよりも、1回は短くても何度も動かしてあげるほうが効果的です。身体を触って皮膚に刺激を与えてあげえることも、とても大事です。毛づくろいができなくなっている状態のうさぎは特にそうです。

普段動かせない手足などがあれば、ゆっくり優しく伸ばしたり曲げたりしてあげましょう。痛がるときはしないでください。上手くできると、うさぎはとても気持ちよさそうな表情をしてくれます。そのうちに飼い主が触ると安心・信頼して身体を預けてくれるようになるかもしれません。

うさぎの指圧・マッサージについて、詳しい本がありますので参考にしてください。うさぎにとって気持ちがいいマッサージは、飼い主にとっても癒しの時間。心の対話を楽しんでください。

うさぎのためのマッサージの本
『うさぎと暮らす ホリスティックケア 指圧&マッサージ』

うさぎマッサージについて、今私が思うこと

私はずいぶん長い間、なのはっちのマッサージ・指圧をしてきました。その効果は確かにあったと思います。けれども今になって、もっと考えていればよかったと思うことがあるので、記しておこうと思います。

なのはっちは3歳のときに斜頸になり、それ以来首が傾いたままでした。10歳をすぎた頃、前肢で身体が支えられなくなりました。関節が堅くなり、動かしにくくなったことに加え、肢がゆがんできたのです。斜頸で身体の重心がずれていたため、片方の前肢に大きな負担がかかりすぎたのだと思われます。

こうなって初めて、体重がかかりすぎていた肢のことをもっと意識してマッサージしていればよかったと思いました。動物病院へ行くと、レーザー治療が良いといわれました。確かにレーザーは心地よいらしく、帰宅後はいつもよりも元気に歩き回っていました。けれどもなのはっちにとっては頻繁に通院することのほうが身体に負担をかけると思ったので、家でのマッサージをメインにしていました。

今思えば、斜頸になってマッサージをし始めたときから、もっと前肢のことを意識していれば肢への負担はずいぶん違ったのかもしれないなぁと。人間でも年を重ねると運動不足や身体の不調により、関節が曲がらなくなったり痛くなったりしますよね。日常的にストレッチやリハビリなどで無理なく動かすことを日課にしていれば、ずいぶん違ってくると思うのです。

グルーミング

前述の通り、身体の汚れは不調のサインです。また、うさぎが自分でグルーミングできなくなったときには、グルーミングは飼い主の役割になります。身体が汚れたままになっていると、皮膚炎などの病気の原因になります。皮膚炎になると病院へ行って細菌感染を防ぐために抗生剤を飲ませたり、消毒して薬を塗ったりと、うさぎにかかる負担は大きくなりますので、気をつけたいですね。

毎日こまめなケアで、うさぎの身体を清潔に保てます。私が行っていたケアを紹介します。私はトリマーではなく、あくまでうさぎの飼育者としてのやり方ですので、不十分な点もあるかと思いますが、参考にしていただければと思います。毎日のことなので、「しっかり丁寧に」よりは、「ささっと手際よく」が継続できるポイントになると思います。介護生活は長いですからね。時間があるときに、丁寧にしてあげるとうさぎも喜ぶのではと思います。

コーミング

岡野 ONS 高級両目金櫛 中

くしで毛をときます。全体にくしをかけますが、特にお腹側、太ももやしっぽの辺りに毛玉ができやすいので、ここは毎日とかしましょう。健康なうさぎは自分で毎日毛の手入れをしているので、いつもきれいですが、自分でグルーミングできなくなると、すぐに毛が絡まったり汚れたりします。特にお尻とふとともあたりのアンダーコート(やわらかくて細い毛で、皮膚のすぐ上に生えている毛)は丁寧にくしでとかしましょう。

ブラシよりはくしのほうが、狙ったポイントを確実にとかすことができるので、私はくしをおすすめします。力加減は控えめに。うさぎの皮膚は弱いので傷つけないように気をつけましょう。以下、ありがちな「こんなとき」に対する私の簡単なやり方を記します。

  • 毛玉になるぐらいもつれているとき
  • 毛のかたまりがある場合、はさみで取り除くと早いです。ただし、皮膚の際まで切ると、間違って皮膚まで切ってしまう危険があるので、控えめに。一度にきれいに取らなくても大丈夫です。毎日少しずつ。毛玉の半分ぐらい取れたら、くしも入りやすくなります。力を入れすぎないよう、毎日少しずつきれいにしてあげましょう。

  • ウンチなどによる汚れがひどいとき
  • お湯に入れてあげられそうなら、うさぎの大きさにもよりますが洗面器などにぬるま湯を入れ、半身浴させながらおしり部分の汚れをふやかし、やわらかくなったら手で簡単に取れます。お湯は何度か変えてすすぎます。最後はタオルで水気を拭き、ドライヤーで軽く乾かします。

    お湯に入れられない場合、まずはくしですぐに取れる汚れだけ取ります。次に脱脂綿などに水を含ませて汚れの部分をふやかしてから、くしでとかしながら汚れをとります。この場合、一度で完全にきれいにするのは無理なので、毎日少しずつ汚れを取ってあげてください。

耳掃除

耳の中がきれいであれば、耳掃除の必要はありません。耳の中が汚れている場合、赤ちゃん用の綿棒にオイルを少し含ませてから、やさしく拭いてあげてください。私が使っていたオイルは、「ジョンソン ベビーオイル」でした。あまり無理しないよう、見える部分だけでいいと思います。奥のほうが気になる場合には、動物病院でしてもらいましょう。

ジョンソン ベビーオイル 無香料 300mL

爪きり

小動物用 爪切り

寝たきりでも爪は切りましょう。伸びた爪は怪我のもとです。元気なときは、散々抵抗されて爪きりが大変だったとしても、斜頸になったり身体の具合が悪くなると、意外と楽に切れるようになります。

家でやるべきことのまとめ

今うさぎと暮らしている飼い主さんたちには、毎日の些細な、でも大切な、ちょっとしたケアを楽しんでいただきたいです。そういう些細なことの積み重ねが、うさぎの生きる喜びになっているのかもしれないと思いました。

信頼の絆で結ばれた飼い主の手で、毎日何度も身体に触れてあげることで、うさぎの表情が活き活きして、皮膚もきれいになり、毛艶も良くなります。生き物だもの。無関心でいられること(放置されること)に対する反応は、人間も他の動物も同じです。

触るとちょっとした身体の変化に気がついてあげられます。汚れた部分に気がついて、きれいにしてあげられます。そうすることで皮膚炎や床ずれなどに早く気がつき、対処できるので大事にいたらずに済みます。

毛づくろいができなくなったうさぎの毛づくろいをするのは飼い主です。毎日大変ですが、ここはふんばりどころです。かわいいうさぎのために。身体が不自由になっても、キラキラした目でいてもらうためにも。うさぎと飼い主の幸せのためにも。がんばりましょう。

なのはっちの斜頸 発症から3ヶ月の経過と介護記録

下の写真は、発症から3ヶ月ほどが経過した頃のなのはっちです。始めは自力では立つことができませんでしたが、3ヶ月経つころにようやく自分で立ち、歩き回れるまで回復しました。

2007年3月のなのはっち

2007年3月のなのはっち

発症から3ヶ月の通院記録です。link斜頸通院の記録

発症から3ヶ月間のなのはっちの状態と、診察内容、投薬の記録を表にまとめています。上の「斜頸通院の記録」をクリックすると、別窓で治療の記録が開きます。

突然のローリングから始まった斜頸ですが、幸い在宅時にローリングが始まったので、すぐに夜間に開いている病院へ連れて行きました。始めの処置としては間違ってはいなかったと言っていたかかりつけ医の言葉を信じています。実は夜間の動物病院へ行ったとき、ローリングは落ち着いていて、自力で歩けるほどでした。診察で歩く姿を見たり、眼振の程度など一通りの診察をした後、抗菌剤とステロイドを処方されました。このときの首の傾きはそれほど強くはありませんでした。

症状は一旦安定したものの、食欲がないままでした。そうするうちにまた眼振がひどくなり、自力で立てなくなって、首の傾きもひどくなっていきました。かかりつけの動物病院では診察と投薬を続けていました。抗菌剤とステロイドを基本に、私の希望でエンセファリトゾーンの検査をし、結果が出て判断が下されるまではエンセファリトゾーンの駆虫薬も飲ませていました。検査結果はエンセファリトゾーンに感染している可能性を完全に払拭できなかったものの、可能性は低いと判断されて投薬は中止しました。

ローリングが収まらず、やむなく鎮静剤を飲ませていた時期もありました。食欲もなく、このままでは死を待つしかないと思い、回復を信じて強制給餌を始めました。やがて自力で食べ物に口を持っていく様子が伺えるまでに回復したので、強制給餌を終了しました。自力で食べ始めると、どんどん回復して夜のケージ掃除のときに、部屋を散歩できるようになりました。上のリンク(斜頸通院の記録)は、その頃までの記録です。斜頸発症からおよそ3ヶ月間でした。

次の写真は、発症から10ヶ月ほどが経過した頃のなのはっちです。首の傾きは大きいままですが、夜のお散歩では部屋の中を自由に歩きまわれるまで回復しました。

2007年10月のなのはっち

2007年10月のなのはっち

回復後は斜頸そのものが悪化することはなく、普通に暮らせていました。しかし高齢になると、傾いた首を支える肢への負担が原因で、関節が曲がって固くなり、あまり動きまわらなくなりました。そのうちに寝たきりになり、介護生活に入りました。寝たきりになってからは、水と食べ物は私の手から与え、毎日のグルーミングも私が行いました。必要に応じて薬をあげたり傷の手当をしました。斜頸は身体の重心がずれるために、肢にかかる負担が大きくソアホックになりがちです。なのはっちもソアホックになり、寝たきりになってからはソアホックの悪化はないものの、床ずれを防ぐためにとても気をつかい、グルーミング時には皮膚の状態を丁寧に観察していました。必要に応じてクッションの位置を変えたり、やわらかくしたりしました。また体勢を変えることも、床ずれ予防には有効でした。

斜頸のうさぎ看護 お役立ちグッズリスト

  • フリース
  • ローリングによるケージ内での怪我を防ぐために使用。洗い代え用が必要。

  • クッション
  • ローリングによるケージ内での怪我を防ぐため、身体が倒れないよう支えるために使用。カバーが取り外せて洗濯できたり、丸洗いできるクッションがおすすめです。

  • タオル
  • ローリングによるケージ内での怪我を防ぐために使用。

  • U字クッション
  • 身体が倒れないよう支えるために使用。うさぎの大きさによってサイズ検討が必要。ネザーランドドワーフぐらいなら、以下がおすすめ。

    低反発 ネックピロー

  • すり鉢、すりこぎ
  • 強制給餌のときに使用。100円ショップのもので十分です。

  • シリンジ
  • 強制給餌のときに使用。手に入らなければ、動物病院に相談してみてください。

  • スポイト
  • 水を飲ませるときに使用。小さなシリンジでもOK。薬局に売っています。ガラスのスポイトは危険なので、下の画像のようにプラスチック製にしましょう。

    スポイト 3cc 10本

  • SUSUマット
  • 寝たきりになったときの床材として使用。ウンチが毛の間に入るから良かったです。またおしっこもすばやく吸収し、おしりが濡れないので身体を清潔に保てました。排泄物の状態が見やすいので、淡い色がおすすめです。

    SUSU バスマット 速乾 抗菌 36x50cm

  • 赤ちゃん用綿棒
  • 耳掃除のときに使用。赤ちゃん用の綿棒はサイズが小さいので、うさぎの耳を傷つけにくくやりやすいです。力を入れないよう、軽く拭く程度でOKです。取れない場合は動物病院へ。

    PIPBABY ベビー 綿棒 200本入 2個パック

  • オイル
  • 耳掃除のときに、綿棒につけて汚れを落としやすくしました。何もつけないよりは、汚れが落ちやすいです。無香料のオイルならよいと思います。

    ジョンソン ベビーオイル 無香料 300mL
    ジョンソン ベビーオイル 無香料

  • イソジン消毒薬
  • 床ずれやソアホック、その他皮膚に炎症があったときに、10倍に薄めて使用。うがい薬と間違えないように。イソジンきず薬です。

    イソジンきず薬 30mL

400年前のガラミ酒再興プロジェクト
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コメント

  1. mj より:

    3年前に結婚した夫が長く(14歳です)可愛がってきたうさぎさんに、4日前から斜頸の症状が出ており、強制食餌(ここに書かれているスポイトを使ったものです)ですりつぶしたバナナや水、ペレットなど食べてくれ、ウンチも出るようになってきたのですが、何とも胸が苦しくて仕方がないです。

    高齢ということもあり、夫は通院を避けたいようなのですが、それでもいいのでしょうか。確かに今は暑いですし、呑気な子とは言え、不要なストレスは避けたほうがいいのかと思っていたこともあり、この記事を読んで大変ショックを受けています。

    この夏、15歳を迎える子でも…また、家で食餌&入浴?がきちんとできていても、書かれておられるような原因解明のための通院や投薬はした方がいいのでしょうか。

    できることがあれば、してあげたいのです。

    • ayumi より:

      mjさん、コメントありがとうございます。読ませていただきましたが、14歳の高齢ということもあり、確かに通院はすべきか迷うところですね。
      私は実際その子の様子を見ていないので、適切なアドバイスはできませんが、親身にお世話されているmjさんと旦那さまでよく相談されるとよいと思います。

      夏の暑い時期の外出は、若いうさぎにも過酷です。保冷材などをキャリーの天井などに置くことは必須になりますし、動物病院で他の動物(特に犬)や物音、人の声などに相当なストレスを感じると思います。
      もっとも昔から聞きなれた音というなら、話しは別ですが・・・。もしも今まで何度も動物病院に通われた経験があるならば、通院のハードルも低くなるのではないかと思います。

      斜頸の診断は簡単ですが、原因を見つけたり治療法を決めたりするのは結構難しいと聞いています。原因がわからなければ、どんな治療をすると効果的かもわからないので、結局対処療法がメイン(苦痛を取ってあげる処置)になってくると思います。
      そして実は斜頸は落ち着いてローリングが見られなくなり、食欲が戻ってくると、うさぎは意外と普通に暮らせます。今うさぎさんが強制給餌でもそこそこ平和に過ごせているならば、無理に外に連れ出さなくてもよいのかもしれません。その判断は飼い主さんしかできないと思います。

      ローリングが激しくて、見ていて辛そうだったり、このままでは怪我の恐れもあるという状態なら、病院で適切な対処をしてもらうのがよいかもしれません。なのはっちの場合は、とにかくゴロゴロと激しく転がりまわるので、怪我のことを考えて、鎮静剤を飲ませていました。
      これはもう最終手段という感じで、泣く泣く飲ませていました。飲んだ後ぐったりして、ローリングさえもできなくなるのです。見ていて辛かったです。

      その他の考え方として、飼い主さんがうさぎさんにどのような余生を送ってもらいたいか、送らせるのがうさぎさんの幸せかを、考えてあげることです。薬や注射など、あれこれ手を尽くすのか、それとも家でゆっくりと過ごすのか・・・です。医療だけが苦痛を取ってくれるのではなく、飼い主さんの暖かい手を感じることも、うさぎさんにやすらぎを与えるのだと思います。
      旦那様と相談されて、一番良いと思える選択をされてください。飼い主さんが「これが一番良い」と思うことが正解だと、私は思います。介護は長期間に及ぶと思いますので、お体にお気をつけください。

  2. mj より:

    ayumiさん、返信ありがとうございます。

    実は今回、このことで夫と少し険悪になりかけており、冷静なご意見とてもありがたく思いました。

    私自身、独身の時にウサギさんを1人お見送りした体験から、彼の判断に懐疑的な部分を見つけると熱くなってしまい、感情的になってしまっていました。

    ご意見を読んで、今しばらくはお家で介護をしてみる決心が固まりました。幸い、激しいローリングは収まっています。

    一生懸命お世話します。有難うございます。

    • ayumi より:

      mjさん、私がお伝えしたことが少しでもお役に立てたようで嬉しいです。
      大切なうさぎさんであっても、病気のときにどうするかという点において、家族内で必ず意見が一致するとも限りませんよね。mjさんご夫婦の決断は、今しばらくは家で介護することにされたのですね。状況が変わったときにどうするか、また夫婦で相談されるとよいと思います。

  3. ミツヤ より:

    初めまして柳岡と申します。7歳の女の子のウサギの飼い主です。つい最近うちの子も斜頸になってしまいこちらの記事がとても参考になりました。一つお伺いしたいのですが、ケージに取り付けるタイプの水ボトルがとても飲みづらそうにしてるのですが何か良い方法はないでしょうか?

    • ayumi より:

      柳岡さん、はじめまして。コメントありがとうございます!
      心配ですね。お水のボトルの件ですね。
      わが家でもボトルを使っていたので、同じ問題に直面しました。首の傾き具合によるのですが、わが家ではうさぎの口が届く位置に付け変えました。
      斜頚になると口元の届く位置が低くなると思いますので、飲めそうだと思う位置まで下げてあげてください。
      またはボトルがある場所の足元を、フリースやクッションで少し高くしてあげてもいいかもしれません。斜頸の症状にもよるので、状況を見て試されてください。
      どうしてもボトルからは無理な場合、一番いいのはシリンジやスポイトで飲ませるのが確実ですね。けれど仕事などでいつも家にいられないときは、生野菜などで
      水分を摂れるようにしてあげるといいと思います。
      床に水の容器を置くのは、ローリングなどで転んだときに危ないので、極力やめたほうがいいと私は思います。
      参考になれば幸いです。

  4. みちお より:

    こんにちは、うちのうさぎが 鼻の病気にかかってしまい治療を開始しました。今後に備えて何を注意すべきか情報を集めている最中にこちらのサイトにお邪魔した次第です。
    本当に最後まで目を通して胸が重たくなりました。
    ここに記載されている以上のことが起こっていたことは容易に想像がつきますし、それを思うと飼い主さんの抱えていらした重圧など本当に大変だったろうなと自分の思いも重ねてしまいます。
    うさぎさんも愛情を持って接して世話をしてあげることで
    本当に長生きしてくれるんだなあと 勇気もたくさん頂きました。うちのうさぎも 症状が悪化しないよう 十分に気をつけて世話をしたいと思います。
    貴重な情報ありがとうございます。

    • ayumi より:

      みちおさん、コメントありがとうございます。
      鼻の病気、心配ですね。それで今後のためにと、情報を集めていらしたみちおさんの行動、素敵な飼い主さんだなと思いました。
      長い記事にも関わらず、読んでくださりありがとうございます。大切なうさぎが病気になると、不安でいっぱいになりますよね。少しでも知識を持って、少しでも自信をもってうさぎに接してあげることはとても大事だと思います。
      不思議なもので、自分の身体が弱っていることを自覚すると、飼い主を頼ってくれるのがわかります。それが唯一、私ががんばれる力になっていたと思います。みちおさんも日々大変なことでしょうが、うさぎが頼れるのは飼い主。心を通わせて、乗り切っていかれるよう応援しています。

  5. aiko より:

    はじめまして、うちの子(ネザーランド二歳)が、斜頸になってしまいました。
    私はの知識不足で、仕事から、帰り、15度位、首が、まがってるのに、気付き、妹に、購入したショップに、電話させて、小動物専門の病院を紹介されて

    薬を投与して、1ヶ月で、殆ど、治ったのですが、今度は、逆側に、やや斜めになっており、私情で、その病院に、一週間位、預けたんですが、状態が、悪くなったのか、、?

    今は、もう、斜頸になり、斜め90度です。

    でも、まだ、眼振が、あり、かるく転げたりしているのですが、眼振が、出てて、フラフラしてるのに、自分で、牧草の入ったボールから、牧草食べようとしたり?たべたり?顔洗ったり?けずくろいをしたり、お水も、ボトルから、ゴクゴク飲んでますし、根性が、あるのでしょうか?

    今、斜頸になって、首、斜め90度ですが、斜頸になって、4ヶ月位になります。

    前みたく、治りかけの時のように、首は、なおる、確率は、あるのでしょうか??

    • ayumi より:

      aikoさん、はじめまして。このサイトを見つけてくださり、ありがとうございます。
      斜頸になってしまったとのこと。わが家のうさぎネザーも斜頸だったので、ご心配なお気持ちはよくわかります。わが家のなのはっちも、斜頸が出始めてすぐにお薬で一旦首が戻りました。でもしばらくすると一気に傾きがひどくなりました。
      90度くらいなら、まだ歩いたりできると思います。なのはっちは最終的にはほぼ90度くらいで落ち着いて、それからはお散歩したりご飯を食べたりと、普通の生活ができていました。もしかしたら今後、180度近く首が曲がることがあるかもしれません。
      原因ですが、私達はいろいろ検査してもらったりして調べましたが、結局はっきりしないまま。原因を探ることも大事ですが、日々よく見てあげて、少しの変化にも気づいてあげられるようにしてくださいね。
      なのはっちが180度ぐらい首が傾いたときは、ただただ涙しか出ませんでした。歩けない、立てない、お水もご飯も一人では口にできませんでした。知り合いから安楽死をすすめられたくらいでしたが、それでもしっかり回復したので、希望は持ち続けてくださいね。
      獣医師に聞いたことがあるのですが、うさぎは首が傾いていても症状が安定していると普通に生活できるとのこと。
      ただこのまま生活していると、なのはっちのように足の骨が曲がってくるかもしれないので、足のマッサージなどしてあげると少しは違うと思います。
      おそらく首が傾いているために、長年体重を一つの足にかけて身体のバランスをとっていたからだと思います。先の話ではありますが、そういうことも頭の片隅に置かれていてくださいね。
      看病、大変だと思います。心配でaikoさんの身体も休まらない日々をお過ごしと思います。うさぎの症状が安定しているときには、気持ちと身体を休めてください。

  6. aiko より:

    返信ありがとうございます!
    朗報を1つ報告したいとおもいます!

    実は、セカンドピニオンと考えて、最初に行った、小動物病院から、ウサギ専門で、有名な動物病院へ、変わって、一ヶ月立ち、全く、変化が、見られずに。

    今日、うちの子を連れて行き、診察をしてもらいました。

    体重が、少し、減ってるとのコト。

    兎に角、今の二倍、ペレット?
    ラビットフードを与えるコト。

    中には、薬に頼らずに、もりもり食べて、体力をつけて、斜頸が、完治した子も、いるとのコトです。

    まだ、うちの子は、眼振が、酷くくるくる回ってる状態です。
    。涙

    治るのか、不安で、同じく、知り合いに、安楽死を私も、進められました涙

    しかし、妹が、例え、後遺症が、残り、首が、曲がったままで、いようが、可愛いと、内心、最後、死ぬ迄、戦おうと、思い、お墓は、きちんと立ててあげたいと、涙を堪え思い

    先生に、治る確率は、あると、伝えられ、兎に角、ガンバロウと、思っています。

    可愛くて仕方ない、子ですが、
    皆さんも、頑張ってください。

    私も、頑張ります。!!

    • ayumi より:

      aikoさん、こんにちは。
      その決意があれば、大丈夫ですね!何があっても最後までうさぎと一緒にがんばるという決意は、必ずうさぎにも伝わります。
      ペレットは十分な量食べられますか?眼振があって立てなくて、食べられないようなら、強制給餌を考えてくださいね。もちろん、獣医師に相談後ですが。
      わが家のうさぎ なのはっちは、斜頸が一番ひどくて立てないとき、強制給餌で命をつなぎました。本当にひどいときは水もペレットも自力で食べられないので、注意して食べた量を把握されてくださいね。大体の分量でかまわないので。これからうさぎと二人三脚でがんばってください!応援しています。

  7. ゆか より:

    初めまして!現在3歳♂が今年1月より眼振と少し首が傾く症状が見られすぐに病院へ行きました。先生からは内耳炎のパスツレラと言われ抗生剤をあげたら二日くらいですっきり治りました。しかし、薬をその後も与えていたものの一週間で再発。病院へ行きまた同じ薬で様子見。今日で再発から8日になります。斜頸で首の傾きも酷くなるばかりで、一応EZ症だった場合に備え駆虫剤も出していただいてます。駆虫薬は飲ませてまだ3日です。昨日あたりから水を飲む時、頭を撫で撫でする時、抱きかかえた時にローリングします。回転は一回で、また体制維持をするといった感じなんです。
    記事を読んでみて症状が軽くなったのが症状を発症して三ヶ月と書かれてたのを見て腰を据えて頑張らなきゃと思いました。
    食欲も再発からなく、点滴と強制給餌を毎日してます。点滴は二日か三日に一回です。
    ちょろちょろ自分で首を傾けながらも干し草のみ食べてますが十分ではないです。
    そして食糞をしてるんですが、スノコの下に落ちてました。なのはっちちゃんは食糞は食べてましたか?また、わたしの地域はウサギも診ている動物病院が3件しかなく今現在2軒目です。どちらもEZ症かの判断は付きにくいと言われ血液検査をしても100%の診断が返ってくるものではないからと言われ検査は特に受けてません。ステロイド剤も内耳炎だった場合は悪化すると言われ副作用もあるので出してくれなかったです。先生の見立てでは100%診断ではないけどEZ症だと白内障や便や尿の垂れ流しや手足の痙攣や顔に麻痺が出るみたいで診断して頂いたんですが出てないことから内耳炎だろうと診断されました。
    そして、いつもケージ内で顔を傾けボーとしてます。なのはっちウサちゃんも斜頸や眼振の際はそうでしたか?良かったら色々教えて下さい!

    • ayumi より:

      ゆかさん、はじめまして。コメントありがとうございます。
      斜頸の症状が出ているとの事。一旦良くなったり再発したりと、なのはっちも同じような経過でした。
      獣医師の診断について、私が意見するほどの知識も経験もありませんので、ゆかさんが信頼できると感じる先生であれば、治療をお願いするしかありませんよね・・・。3つの動物病院の中で今2つ目とのことですし、判断が難しいですね。
      パスツレラの感染ということですが、私が参考にしたサイトにはパスツレラのステロイド剤使用については、獣医師の中でも考えが分かれているように書かれていました。斜頸の原因は様々で、原因によって処置も異なるでしょうし、獣医師の考えにより治療方針も変わるのは当然のことになるでしょう。
      それゆえに飼い主の判断や、信頼のおける獣医師に疑問を率直に聞いてみることは大切だと思います。もやもやしたまま通院・看病するのは、飼い主も辛いですよね。
      私は経過を見つつ改善がなければ、あらゆる手を尽くして原因を見つけようとしてくれる獣医師が理想だと思います。もしもゆかさんがEzの検査を望むなら、それを先生に話して検査をしてもらうのがよいと思います。なのはっちは2回検査していずれも擬陽性で、結局Ezであるとの結論が出せませんでしたし、Ezの駆除剤も効きませんでした。でも、そうして手を尽くすことで看護に集中することができました。
      それから食糞のことですが、斜頸だとおそらく自分でおしりのところへ口を持っていくことができないか、できても普段どおりにはいかないはずです。なのはっちは確か、調子がよいときには食糞が出たら身体を動かしてすのこの上に乗っているものを食べていました。だからすのこから落ちると食べることができませんし、足で踏んでしまうこともあります。
      私は食糞を見つけたときに、なのはっちに食べさせていました。あとは毎日のケージ内掃除のときに、まだ新しそうでつやつやしているすのこ下に落ちている食糞は、与えていました。古いとうさぎ自身も食べようとはしないので、どうかなと思っても一応口元に持っていってあげてみてはいかがでしょうか。
      必要なら食べるでしょうし、不要なら食べないと思います。そのあたりは私達人間も同じで、今身体が必要としているものを食べたいと感じると思います。
      ケージ内での様子ですが、まさにボーっとした感じでした。おそらく身体を支えることだけで精一杯だったと思うので、そうなってしまうのかもしれません。
      お世話が大変ですが、必ずよくなると信じてください。気持ちを前向きにすることで、うさぎとゆかさんにいい影響を及ぼすと思うので。

  8. ゆか より:

    お返事ありがとうございます!
    参考になりました。あれから全く良くならず不安で病院を最初の病院に戻しました。(前から掛かりつけ)
    食欲もなく点滴もあまり効かない感じです。二日前から盲腸下痢とお腹のゴロゴロした音が出た為病院へ行きました。診断は触る限りでは胃腸に多少ガスがあるけど抗生剤も出してるし問題はないと言われお腹の音はガスが動いてる音だと言われました。お腹を擦ったら暴れて痛がってるように感じます。
    干し草はチョロチョロ食べてはいます。糞はやはりあまり出してません。
    水分は取れてるはずです。昨日も病院へ行き斜頸、眼振が一向に良くならず先生も原因が分からないと言っていて、しかし今出来るのはお薬が効かないならウサギの抗生剤は使える種類が少ないけど色々試してみる事と、食事を毎日与えることだと言われました。三日前ケージ内掃除でウサギを出して歩かせてみたら左足が開帳してるように感じ病院へ行きましたが、それだけで判断しにくいと言われました。ただ単に斜頸で身体の位置が傾いてしまってることにより傾いてない位置の足が浮いてしまいそれを支える事によって足が開いてるのか、またはEZの症状なのか。と言われ、発症から二週間が経ち一度もステロイドを使用してません。今のお医者はやはりパスツレラだとあまりステロイドを使用は避けたい考え方で、リスクも高いと説明も受けました。しかし飼い主さんがどうしても試してみたいと仰るなら単発でステロイドの注射を打ってみて様子を見るのも有りだと言われました。ステロイドは打って1日から2日くらいに何らかの変化が出るからと言われそれがいい方向でも悪い方向でも←と説明を受けました。
    昨日は家族で悩みました。現在衰弱状態でステロイドを使用しても効果は得られるのか。発症から二週間も経ってるのに効くのか。考えた結果、今日ステロイドをしに行く事にしました。しかし獣医さんはステロイドを使用しても脳の保護だけで斜頸などが治る薬ではなく、今の症状を軽減するためにはやっぱり抗生剤だと言われました。

    • ayumi より:

      ゆかさん、こんにちは。
      ステロイド投与の経過はいかがでしょうか。斜頸でステロイドを使う場合は、斜頚の症状が出てから早いうちがいいそうです。ステロイドは神経組織の炎症を鎮める目的で使うものだからだそうです。ゆかさんが診てもらっている先生のおっしゃるとおり、斜頸の治療をするのではなく、脳(神経)がこれ以上傷つかないように炎症を鎮めて保護するためですね。だから斜頸の症状が出てから早いうちの投与が望まれるのでしょう。
      けれども原因がわかっていないのですから、ステロイドが効かないとか、抗生剤が効かないとか、今の状態で結論付けるわけにもいかないですね。おつらいとは思いますが、おうちでは食事や保温(これも大事だそうです!)に気をつけて、ローリングで怪我をしないように見てあげることでしょうね。
      うさぎはちょっとしたことで驚いてパニックになるので、落ち着かせてあげることも大事かもしれませんね。きっと目がグルグルまわって、上も下もわからない状態になって、精神的にもショックを受けて、それで食べられなくなっているかもしれないので、毛布で身体をくるんであげたり身体をはさんであげたりして、身体を安定させてあげることも有効かもしれません。しばらくは気が抜けなくてゆかさんも大変だと思いますが、希望を持ってください。応援しています。

  9. ひらの より:

    斜頸に関するお話、すべて読ませていただきました。とても参考になりこれから実践させていただきたいと思います。ですが、三点不明な点があり、質問をさせていただきたいです。
    生後2ヵ月 、お迎えしてから3週間のミニレッキスの男の子を飼っています。
    一昨日の朝首が傾いており診察をしたら斜頸と診断されました。
    常にふらつき倒れる姿も見られとても辛そうです。ロ-リングは今のところありません。
    斜頸になってから食欲が落ちておりペレットはふやかしても一粒食べる程度になり、以前の10分の1も食べれていません。チモシ-もその程度です。何かを食べてもらいたいのですが、生後2ヶ月の子に野菜類は食べさせても良いのでしょうか。
    また、盲腸便が出ているのですが、日頃から食べる様子は見られず、現在栄養もほとんど取れていないのに、盲腸便を食べることもしないので、どうにか食べてもらいたいです。手のひらに載せて口元に近づけても食べようとはしてもらえず、なにか方法はございますでしょうか。
    そして、斜頸になってからうさぎと触れ合っている時は常に手足、服を舐めるのですが、これは何を示しているのでしょうか。
    初めてうさぎを飼い、介護も何をしたらいいのか、どうしたら苦痛が減らせるのかわからず、不安でたまりません。
    たくさんの質問をしてしまい申し訳ありません。教えていただけるとありがたいです。宜しくお願いいたします。

    • ayumi より:

      ひらのさん、こんにちは。コメントありがとうございます。
      生後2ヶ月で斜頸、それもお迎えしてからまだ3週間ということで、戸惑っていらっしゃることと思います。
      ご質問を整理しながら、お返事させていただきます。
      1.2ヶ月の子に生野菜を与えてよいか
      悪いことはないと思いますが、生野菜メインにならないように気をつけてあげてください。水分が十分に飲めていないのなら、少し生野菜をあげてもよいと思いますが、生野菜で必要な栄養素を取ろうとすると、無理があると思います。
      チモシーを食べないとのことですが、幾種類かのチモシーを試してみましたか?香りや軟らかさの違いで、食べるものがあるかもしれません。それからチモシーがダメなら、イタリアンライグラスや麦などもあります。また、マメ科になりますが、アルファルファも
      試してみてはいかがでしょう。同様に、ペレットも商品により嗜好性が変わるので、サンプルなどを入手してあげてみてもいいかもしれません。
      2.盲腸糞を食べない
      下痢はしていませんか?あまり食欲がないということで、今後盲腸糞がちゃんと出てくるかはわかりません。盲腸糞がなぜ出るか、ご存知でしょうか。うさぎは人間と違って草を消化できます。うさぎの小腸に住んでいる細菌が消化してくれるのです。
      盲腸糞の中には、細菌が消化してくれた栄養素がたくさん入っています。そういうわけで、盲腸糞は食べて欲しいですね。
      ところでうさぎは栄養を取りすぎているときには大量の盲腸糞が出て、食べ残すことが多くなります。そういう排泄物を見て、食事面を考えていくべきだと思います。けれども現状をお聞きすると、栄養過多にはなっていないようなので、盲腸糞を食べない理由が
      私のほうではわかりかねます。普段から食べないとのことですが、それが食べ残しだったかもしれませんね。盲腸糞はおしりから出たら、口を持っていきすぐに食べるので、飼い主の目に触れないことも多いのです。今ふと思い出しましたが、古くなった盲腸糞は食べません。
      今あげても食べないという盲腸糞は古くなっていませんか?
      3.手足や服を舐める行為は?
      これはおそらく、親愛のしるしだと思います。うさぎは身体を舐めて毛づくろいをしますよね。飼い主さんに毛づくろいをしてあげているつもりなのではないでしょうか。うさぎの気持ちはわからないので、本当のところはわかりませんが、犬も同じような行為をしますよね。

      お役に立つかどうかはわかりませんが、毎日側にいるひらのさんの感覚を信じて看病してあげてください。まだ2ヶ月で小さいのに、がんばっているのですね。ひらのさんの手などを舐めたりしているご様子、信頼されているのだと思います。

  10. たこ君 より:

    我が家のウサギ(モコ)が先週の水曜日6日ほど前から斜頸になりました。夜眼振に気づき、急ぎ動物病院に駆け込みました。
    病院ではステロイドと抗生剤と胃腸の働きを良くするお薬を処方して頂飲ませています
    我が家には2人娘がおり、幸い協力的で代わる代わる看病してくれています。

    眼振は現在なんとか収まっているようですが、首の傾きがあり食事をほとんど自分で取らないのとローリングが頻発にあります。この子もこの子なりに一生懸命頑張っていると思うのですが、見ているとなんとも痛々しく切ない気持ちです。

    でもこちらの記事を読ませていただき、これからの看病の事、こちらの気持ちの持ちようが少しわかったような気がします。これからもこんな風にメッセージを遅らせてくださいね。

    • ayumi より:

      たこ君さん、コメントありがとうございます!このサイトはうさぎの病気と介護で困っている人の力になればと思い、存在しています。だからコメントを下さり、少しでも前向きになっていただけると私も大変うれしく思います。
      また、このサイトに訪れる方々の力にもなるかと思いますので、どうぞご自由にお気持ちなど、お書きくださいね。
      御家族みんなで看病されて、本当に素敵です。斜頸は傍で見ているのが辛いですが、回復を信じて、そして気持ちを強く持ってください。獣医師が言っていたのですが、うさぎは斜頸で首が傾いても、症状が安定すれば普通に暮らせるとのことです。
      実際我が家のなのはっちは、最終的に首の傾きが45度ぐらいでしたが、食事も毛づくろいもできていました。私の後悔としては、長年斜頸を患っていると重心が傾いてどちらかの足に負担がかかるので、その点気にされていると良いと思います。マッサージをしたり、余裕があれば鍼灸やレーザーなどで通院されると筋肉や骨へのダメージがいくらか軽くなるのではと思います。
      なのはっちは私がその点、見過ごしていたため、晩年寝たきりになりました。ご参考までに・・・。

      • たこ君 より:

        早速のお返事ありがとうございました。このようにお返事がいただけると思ってなかったため、恐縮する気持ちと同時に、嬉しく暖かな気持ちになりました。

        我が家のモコは斜頸となり8日ほどが経過しました。相変わらずペレットは食べてくれず水もあまり上手に飲めません。でも大根の葉っぱと小松菜は何よりおいしいらしく差し出すとびっくりするほどモグモグと食べてくれます。りんごなども口にし、当初の全く食べてくれない状況を脱したことが何よりうれしいです。
        今もうまもなく夜12時を迎えますが、私の横にあるケージの中でローリングの末着地に失敗し横向けにひっくり返り鼻をピクピクとさせています。
        自分で立ち直ることも多いのですが、手助けし起こしてあげることも多いです。ローリングでぐるぐると回りさぞ辛いと思うのですが、そのすぐ後にもりもりと小松菜をほうばっている姿を見るとほっとすると同時に「がんばれ!がんばれ!」と声援を送ってしまいます。
        彼女も頑張る(モコは女の子です)!私もがんばる!一緒に頑張っていこうねと強く思います。

        日曜日に再受診です。先生になんて言われるのかな?ドキドキ

        • ayumi より:

          たこ君さん
          食べてくれるようになって、本当によかったですね。生野菜だと、水分も採れるので安心ですね。
          一時のことなら良いのですが、長期にわたり大根葉や小松菜を大量に食べていると、カルシウム摂取量が気になるところですね。以前うさぎの尿結石について調べた際にわかったのは、カルシウムを多く含む野菜を食べること自体は悪いことではなく、水分摂取量が少ないことが問題だということでした。
          かといって水分の摂りすぎは軟便の原因にもなるので、摂りすぎない程度に水の量は気をつけて少ないなと思ったら、スポイトなどで水を飲ませたり、水分が多めの野菜やフルーツを少しあげてみてください。
          より詳細はhttps://rabbitnurse.net/?p=2437の記事に書いています。よければご参照ください。

  11. たこ君 より:

    あゆみさんへ
    こんにちは。いえいえこんばんはでしょうか。

    我が家のモコが斜頸になり、もう間もなく1ヵ月ほどになります。
    始まってしばらくの間は、強制給餌や朝晩の手間ひまのかかる掃除のため、介護疲れのような状態になっていました。
    でもそれも次第に慣れっこになり、要領も良くなり毎日の日課となっていました。家族で協力してできたことが良かったと思います。
    1週間前ほどから以前食べていた硬い牧草を食べ始め、昨日の晩には気がつけば給水ボトルから水を飲んでくれていました。そして今日はほとんど諦めていたペレットを口にしてくれたのです。(これまでと違うものに変えたのですが)
    半ば押さえつけての強制給餌は心が重かったためこれで少しは、お互い楽になるのかと思うとホッとした気持ちになります。

    まだまだローリングは止まず、首の傾きは大きいですが彼女の頑張りにこちらが励まされるようです。

    またお便りさせていただきます。

    • ayumi より:

      たこ君さん、その後の経過を教えてくださりありがとうございます!
      約1か月の間、モコちゃん、たこ君さん、そしてご家族の皆様、気持ちを一つにしてがんばって来られたのですね!
      その成果が今のモコちゃんの状態なのですね。強制給餌はそうしなければ死んでしまうと追い詰められて行うものですので、できればしたくないですよね。
      でもそのおかげで&モコちゃんががんばってくれたおかげで、自分でお水や食べ物を口にすることができるようになったのですね。素晴らしいですね。
      自分で食べられるようになると、どんどん元気になっていくと思います。再びペレットを食べるようになるために、ペレットの種類を検討されたのでしょうか。
      そういう一つ一つの手探りであっても、回復への想いをこめてすることは、モコちゃんなりに何か感じるところはあるのではないでしょうか。
      私もずっとなのはっちの介護をしてきて、そんな気がしてなりませんでした。ローリングがまだ完全におさまっていないとのこと、ケージ内に転んでも危なくないような処置は、必要な分だけでも残しておいたほうがよいでしょうね。
      まだしばらくは目が離せないとは思いますが、ひとまず一歩前進、おめでとうございます!

  12. モフモフ より:

    はじめまして!
    先週の土曜日から2歳半のオスのうさぎ モフといいます に、急に眼振 斜頸 ローリングの症状が見られました。
    急いで動物病院を受診し、その時は抗生剤の注射をしてもらい、薬をもらいました。
    胃腸薬、虫駆除、抗生剤の入ったもので、シロップに粉薬を混ぜて飲ませていますが、
    なかなかきちんと飲ませてあげらず、
    モヤモヤしております。
    ローリングの症状はほぼおさまり、
    ペレットも少しずつ 食べてくれているのですが、ボトルタイプの給水器をずっと使っていて、斜頸の症状が出てからは全く飲めておらず、平皿に水を入れています。
    左側に傾いているので、その方向でも飲めるように下に下げたり、場所を変えたりしていますがボトルからは飲めておらず、
    どうしようかと悩んでおります。
    薬を上げる際にスポイトで水も少し飲ませるようにしていますが、その際
    1日何回くらいあげると良いのでしょう。。
    薬は朝、夕ですが、二回では少ないと思っています。
    こまめにあげるほうが良いのでしょうか。
    キャベツが好きなのですが、それも食べてくれません。
    昨日、もう一度受診し水の量が少ない旨、先生に相談しましたら皮下に水分を入れる注射をしてもらいました。
    少しずつ浸透していく軽い点滴のようなものだと。
    針をさすわけですからモフにはかなりのストレスだと思いますし、嫌だろうとも思いますが、スポイトでも好んで飲んでくれてる様子でもないので、悩んでしまいます。
    色々読ませていただき、自信を持ってあげようとか、一回でゴクンと出来るようにした方がいいんだ、など色々参考にさせていただきました!
    治療は長い目で、、とお医者さんにも言われていますので焦らず、様子を見ていきたいのですが、昼間仕事で留守の時もあり、
    土曜日発症後、月曜、火曜は幸い私の仕事が休みでした。
    今日は日中モフだけになるためこれから心配です。
    長々とすみません、文章もまとまっておらずわかりにくい部分だらけかと思います。

    • ayumi より:

      モフモフさん、はじめまして。コメントありがとうございます。
      突然眼振・ローリングと、初めは驚かれたことと思います。
      すぐに病院を受診できて、本当に良かったですね!
      お薬を飲ませるのは、苦労する人もいるし、なのはっちのように薬好きな子の場合は楽に飲ませることができたりもします。
      うさぎの好みにもよるので、誰もが簡単にできるというわけでもないでしょうね。
      お薬はシロップに混ぜて、スポイトかシリンジを使っていますか?上手く飲んでもらうには、口の端のほうからスポイトなどを差し入れると歯に当たらずに奥まで差し込めます。口の奥の方まで入れた方が、お薬は飲ませやすいです。初めは抵抗があるかもしれませんが、口の奥の方までシリンジを入れると、否応なく飲み込むしかないので上手く飲ませることが出来ると思います。イヤイヤをしたり暴れたりするかもしれないので、力任せに押さえつけないように気をつけて、頭と後ろ足をしっかりと支えて動かないようにすると、割と安定すると思います。
      それから水分補給ですが、私の経験ではローリングが度々ある状態のときは、ボトルからはお水は飲めないと思います。お水を入れたお皿を置くのも、転んだ時に容器で怪我をしたり水で体が濡れると良くありません。
      お仕事で日中いらしゃらないようでしたら、生野菜などを置いておくのがベストですね。キャベツがダメならサラダ菜やサニーレタスはいかがでしょうか。白菜の芯も水分が多くていいかもしれませんね。
      またはなのはっちは香りの強い野菜が好きでした。そんな子もいると思うので、パセリやシソ、春菊などを意外と食べてくれたりするかもしれません。
      同じ野菜ばかり大量に食べるのはあまり好ましくないのですが、眼振やローリングが落ち着いてくるとまた給水ボトルで飲めるようになるので、それまでの辛抱です。
      不在中はそれでも水分が不足しがちだと思うので、帰宅後はスポイトなどでしっかり水分補給してあげてください。その際も口の奥の方までスポイトを差し込んであげると比較的ちゃんと飲んでくれると思います。上手くできない場合は、動物病院でその辺りまでスポイトを差し込んでもよいか、確認してみると良いと思います。
      意外と奥まで入れても大丈夫です。(私の個人的感覚ですが)
      水は一気に流し込まないように注意してくださいね。仰向けも危険なので、気をつけてください。私はうつぶせが難しかったので、やや横向けで少し上体を起こして水をあげたり強制給餌をしていました。
      いろいろ試しても水分が足りていないと感じたら、この間の様に病院で相談されると良いと思います。脱水症状があればすぐに皮下点滴してもらえると思います。皮下に点滴すると、暫くは皮膚が膨らんで気持ち悪そうに思えますが、脱水症状でいるよりは楽ではないかと思います。
      今は飼い主さんもうさぎさんも、つらいことが多いかと思いますが症状が落ち着くまで、がんばってください!

  13. K より:

    はじめまして。
    6歳の愛兎がとつぜん斜頸になってしまい、家でできることは何か…検索していて、こちらにうかがいました。
    幸い獣医師には恵まれているのですが、ayumiさんの記事に心救われて、介護生活を気長に日常とすることができそうです。ありがたくて、コメントさせていただきました。
    なのはちゃんを亡くされても、こうしてサイトを残し、思いを届けていただけること、頭が下がります。

    • ayumi より:

      Kさん、はじめまして。
      愛兎が突然の斜頸。とても不安で怖かったと思います。でも良い獣医さんがいらっしゃるとのこと。何かあったら頼れるのは、心強いですね。
      斜頸といっても原因はいろいろで、原因すら特定できないことも多いと思います。それゆえ、どのうさぎも回復の経過が違ってくるかもしれません。
      うさぎの状態を見て、その時必要な介護が求められると思うので、いつも一緒にいる家族こそが愛兎の一番の理解者ですよね。介護はただお世話をするだけではなく、これからどうなっていくのか、不安な心との戦いでもありますよね。だからこうしてサイトを残すことで、たくさんの訪問者が残してくださったコメントも含めて、これから介護生活に向き合う方の力になれたら幸いです。