通院中だったりすると、ちょっと気になることがあれば診察のついでに聞いてみることができるだろうし、かかりつけの獣医師と気軽に何でも相談できる関係ならば獣医師に相談するのがいいと思います。けれど通院中でなければ、ちょっと気になることを聞きに病院へ行くのもなぁ・・・と躊躇することありませんか?たとえば食事のことや介護の方法について、聞いてみたいことなどがあったとき、病院へ行くのもなぁ~という時があると思います。そんなとき、ちょっと気になることを気軽に相談できる専門家がいると安心できます。
ちょっと気になることを聞ける、うさぎに詳しい人を探す方法について、私の経験を元にまとめてみます。
獣医師である必要はない
うさぎに詳しい人が獣医師である必要はないと思います。確かに詳しい人が獣医師だったらベストですが、そうそう簡単には見つからないというのが現状、というか、私の経験からの思いです。
そこで私は病院へ行ったほうがいいという判断を的確にできる人であれば、そこから先の専門知識はあまりなくてもいいのかなと思うようになりました。実際うさぎを飼っていて思ったのは、病院へ行くだけではなく、健康である間にも食事のことやグルーミングのこと、噛み癖のこと、運動のことなどなど、たくさん知りたいことがあるのです。むしろそっちのほうが多いです。
うさぎに詳しい獣医師はうさぎの身体の構造や病気に対する知識は豊富ですが、実際にうさぎを「好きで」飼っている獣医師でなければ、病気以外で普段の暮らしに役立つ情報を持っているかといえば、それは普通のうさぎ飼いの人とさほど変わらない気がしています。
そういうわけで、私は信頼のおけるいざと言うときにうさぎのことを相談できる人は、獣医師である必要はないと思います。病気の時に頼るのは、やはり獣医師には変わりありませんけれど。
信頼できるうさぎ専門店を探す
私が長年うさぎを飼っていて、相談してとても役立つアドバイスをもらったのは、うさぎ専門店の人でした。専門店であればどこでもよいわけではなく、そこは見抜く力が必要になるでしょう。
なのはっちの様子が変かなと思ったときに、すぐに病院へと教えてもらったことや、日ごろの食生活で気をつけるべきことや、介護状態になったときに快適に生活を送るための知恵など、本当にたくさんの役立つ情報を無料で提供してもらいました。
私が11年間うさぎ専門店とお客という関係で関わってきて、これまでで2件のお店に納得できるアドバイスをいただきました。うち1件は、なのはっちが寝たきりになったとき、いろいろ心配もしていただき、相談にも乗ってくださり、解決法を考えてもくださりました。良いと思った商品の無料サンプルも注文商品と同梱してくださったり、こちらかもなのはっちの様態をお知らせしたりして、良好な関係を築けていました。大変お世話になったお店です。なのはっちがお月様へ帰ったときも、丁寧なメールをいただきました。
このお店とのやり取りは、後ほど公開します。
信頼できるかを見分けるポイント
うさぎ専門店など、うさぎに詳しくて信頼できそうかどうかを見分けるための、私なりのポイントをまとめてみます。
まずはうさぎ専門店に行ってみる
すぐに行ける場所にあるなら、まずは行ってみることです。旅行などで遠くに行くときに、気になっていたうさぎ専門店がちょっと足を伸ばせばある場合には、ぜひ予定にいれて立ち寄ってみるといいでしょう。
実際に行ってみると、いろんなことがわかります。お店の中の様子、お客さんや店員さん、店主さんの様子など、注意深く見ていると意外とわかることが多いですよ。
私が行ったことのあるうさぎ専門店で、店内のうさぎの飼育環境が劣悪なところがありました。ケージ内が信じられないほど汚く、ボロボロになったうさぎトイレやうさぎ自身もきれいとはいえない状態。まぁここは悪名高い噂があったので、確かめるために行ってみたのですが、噂以上だと感じました。今もこのお店があるかは不明です。
そこまでいかなくとも、実際に現場に足を運ぶとプロフェッショナルな雰囲気ただようお店と、そうではないお店はだいたいわかります。うさぎの生態を熟知し、牧草やペレットなどのうさぎが食すもの、飼育環境についてしっかりお客様にアドバイスできるお店とそうでないお店。「かわいいうさぎ」という点だけをお客様に見せて、お客様に買ってもらおうと思っているお店。いろんなお店があるので、見る目を養うためにも時間があるときにうさぎ専門店に行って観察したり、店員さんやできれば店主さんと会話するのも手です。
トラブル発生時が見分け時
うさぎ専門店は増えてきたとはいえ、まだまだ全国には少ないです。うさぎの食べ物やおもちゃを買おうと思ったときにはネット通販を利用することが多いと思います。私もほとんど通販利用でした。大阪に住んでいたときには、よくお店に足を運んだ時期はありましたが、恵まれていたと思います。
さてその通販ですが、だいたいは問題なくお買い物できるのですが、たまに問題が起きます。私は長い通販生活(うさぎ関連のみ)で、2回ありました。1回目は牧草を買ったとき。品質が明らかに悪かったので、クレームのメールを送りました。すると返事が返ってきたのですが、「当方は悪くありません。自然のものなので、ここの商品に差があることはご了承ください」というような内容でした。それはわかるのですが、それを加味してもあまりにも品質が悪かったから、写真を添付してメールを送ったのです。そこの気持ちを少しも汲み取ってもらえなかったことが腹立たしかったです。
そのメールの内容を読んだときに、あまりにも失礼な書き方のように感じられたので、なおも食い下がってしまいました。今となってはしつこかったと反省するのですが、それでもメールの内容は感情を害するような、自己の正当性を最善面に出す文面。今でもあのメールはお客様に対して送るものではないと思っています。
これは単に私の気分が害されたという話しではなく、お客様の気持ちを汲み取った対応ができないお店という意味です。そういう対応をされると、信頼関係は築けません。そのお店はまだ数回利用しただけでしたが、それを機に止めました。
もう1つの問題は、注文した数よりも届いた商品の数が1つ少なかったことでした。こちらの問題は明らかにお店側の不手際だったので、丁寧に対応してもらえました。それはお店側の対応としては当然なのですが、このお店はいつも納品書に手書きのメッセージがそえられています。通り一遍な言葉ではなく、なのはっちの状態をある程度把握した内容だったのが、うれしかったです。もともと好感が持てるお店でしたが、トラブル発生時も迅速に対応、謝罪もあり、さらに好感が持てました。
うさぎのイベントへ行ってみる
これも開催地が限られているので、誰もが気軽に行けるわけではありません。私は大阪在住のときに毎年ある大阪でのうさぎのイベントと、横浜であるうさぎのイベントに2回行きました。イベントの何が良いかというと、うさぎ用品のメーカーが勢ぞろいします。ブースがあるので、それを見て回ってその会社の考え方に触れてみることができます。メーカーの方と話してみるとまた何か感じるものがあるかもしれません。
私は始めてうさぎのイベントに参加したのは横浜でした。そこで(有)ウーリーの社長さんの考え方に感銘を受け、それをブログに書いたことがありました。それをきっかけに、社長さんと交流できるようになり、横浜や大阪でイベントがあったときには、うさぎの話をいろいろ聞かせてくださいました。ペレットの開発秘話などなかなか聞けるものではないし、そういう話を直に聞くことでメーカーの気持ちが伝わってきます。それが信頼へとつながっていくのですね。
私となのはっちの良き相談相手
なのはっちが病気をしたり、飼育のことでわからないときに、うさぎ専門店や動物病院でお世話になりました。
なのはっちがまだ元気だった頃
なのはっちが若くて元気なときは、関西に住んでいました。関西にはうさぎ専門店がいくつもあって、その中でなのはっちの生まれたお店であるMick and Lackというお店に、よく通っていました。うさぎの食べ物に関する疑問や、信頼の置けそうな動物病院などを教えてもらいました。
帰省や旅行などで家を留守にしなくてはならないときには、当時は動物病院よりも安心できるということで、そのお店のうさぎホテルを利用していました。
子宮内膜症や斜頸になったとき
関西に住んでいたとき、車でそれほどもかからない距離に、エキゾチックアニマルを診るのが得意な獣医師がいました。うさぎに詳しい獣医師のいる動物病院も、噂には聞いていたのですが、少し遠くて通いにくいことから試しに行ってみようというのがはじまりでした。
子宮内膜症とすぐに診断をしてくださり、手術も手際よく。入院ゼロ日で、麻酔が切れて通常の様子に戻ったことを確認して、帰宅させてもらいました。うさぎのストレスを最小限にすることに心を砕く先生でした。エリザベスカラーではなく、手づくりの洋服も考えてくれました。
動物病院は兵庫県西宮市にある、こじまペットクリニックです。阪急西宮北口から少し歩きます。
なのはっちが斜頸になってからは、長期間家を留守にするときに預けるのはうさぎ専門店ではなく、こちらの動物病院で預かってもらっていました。かかりつけ医だったので安心できました。
介護生活になってから
関西から九州へ引越しをして、1年ぐらい経った頃に次第に足腰が立たなくなり、ついに寝たきりになりました。斜頸があり、高齢ということもあって、積極的な治療というよりは、できるだけ快適な生活を送ってもらえることを願って九州の動物病院へ通いました。
恐らく私の住む地域では、なのはっちが通っていた動物病院ほど医療設備を備えたところはないのではないかと思います。関西にはうさぎに精通した動物病院がいくつかあったので、それを思うと「安心してうさぎを連れて行ける」と太鼓判を押す気持ちにはなれませんでした。けれどもとても親身に診ていただいたし、介護生活になってからは1日家を空けるときには、その動物病院の宿泊サービスを利用していました。
なのはっちの介護中は、通常は6時間以上家を留守にすることはありませんでした。食事を必ず3-4時間おきに、どうしても外出しなくてはならないときでも6時間以内に食事をあげていました。年に数回、動物病院のホテルを利用し、アニマルナースさんたちにお世話していただきました。
病気以外の暮らしの面では、山口市にあるうさぎ専門店Rabbit Heartに、お世話になっていました。ペレット、牧草、サプリメントなどは、引越しして九州に住むようになってからは、こちらのお店をいつも通販で利用していました。
実はお店に行ったこともありました。まだ関西に住んでいたときですが、山口県に行った時に足を伸ばしてお店を訪ねたのです。店長さんと少しお話をしましたが、とても親切で良い印象でした。まさかその後九州に住み、このお店の常連客になるとは、そのときは思いもしませんでした。
このお店を始めに通販で利用するようになったきっかけは、家とお店の距離が近いために送料が安くついたからでした。けれどもその後もずっと継続して利用していたのは、他の理由がありました。
納品書や商品を梱包しているダンボール箱に、いつもイラストやメッセージが書かれていて、それを見ると介護生活で疲れた身体と心が元気になって、笑顔と勇気が湧いてきたのでした。
おわりに
うさぎの食生活、生活環境を充実させることは、うさぎの健康を守ることにつながります。飼いうさぎは自分の住処や食べ物を自分で選べません。だから飼い主は無知でいてはいけないと思います。
また体調が良くないときには獣医師に見てもらわねばなりませんが、飼い主が体調不良に気がついてあげなければ診察を受けることもできません。良い動物病院を探すことも大事ですが、手遅れになるまえに不調のサインに敏感に気づいてあげられる飼い主でありたいですね。
これらのことがうまくできるようになるためにも、自分ひとりの力だけでなんとかしようと思うのではなく、知識があって信頼できる人を見つけておくとかなり安心です。インターネットにあふれる情報に頼り切ることは危険です。情報の良し悪しの判断が難しいときには、信頼できる情報源を頼りましょう。