初めてうさぎを家に迎え入れる時にまず必要になるケージやトイレ、ペレットや牧草の容器について、使いやすいおすすめの商品を紹介します。
うさぎを初めて飼うときには、どんなものが使いやすいかわからないことが多いと思います。うさぎ用品を買ってから決定的な問題に気がついたりすることがあります。ケージとなると高額なので、失敗したくないと思います。そこでうさぎを長年飼ってきて、いろんなケージを見てきてわかったことを元に、おすすめできるケージを紹介していきます。
ここに書くことがもちろんすべてではないし、正解というわけではありません。うさぎにも個性がありますし、飼い主の生活スタイルが違えば良いこと、便利なことも違うからです。うさぎと暮らしていくうちに、その人とそのうさぎの「ベストな形」というものがわかってくると思います。それを見つけるまでの間、どうしたらよいかわからないと思う方々の一つの道しるべになればよいかなと思って、この記事を作りました。
まずはうさぎのおうち(ケージ)から。ケージを選ぶときには、どんなことを考えておくと失敗しないか、おうちに必要な物やおうちの設置場所、飼育に最低限必要な物など、基本的なことについて解説しています。抜けている部分で質問や不明な点があれば、コメントを残してください。わかる範囲でお答えしたいと思います。
うさぎのケージ選びでおさえるべきポイント8つ
うさぎにはケージが必要です。部屋の中で放し飼いしている人もいますが、それでもケージはあったほうが良いでしょう。私は基本、うさぎはケージ内で飼う方が良いと思っています。理由はうさぎの安全のためです。飼い主の目が届く範囲で時間を決めて部屋を散歩させるのは良いと思いますが、完全に自由にさせていると思わぬ事故につながります。たとえば人間がうさぎに気づかずにうさぎを踏みつけてしまったり、高いところから落ちたりして骨折などの怪我を負うケースがあります。
ではどんなケージを選べばよいでしょう。選ぶ基準がいくつかありますので参考にしてください。この基準は私の経験に基づくことなので、他にも選ぶ基準はあると思いますが、あくまでも参考にということで。
- 天井の高さ
- 広さ
- 扉の開けやすさとうさぎの出やすさ
- 床の形状と材質
- ケージ底の形状
- ケージの折りたたみ易さ
- ケージの動かしやすさ
- ケージの軽さ
うさぎが立ち上がっても頭が使えない高さは欲しいです。子うさぎのときは十分天井が高くても、成長したときになったときにどうかも考えましょう。
同じく成長したときでも、トイレが置けて牧草、ペレット、水(またはボトル)を設置しても、寝そべることができる空間が必要です。
うさぎのお世話をするときに、扉が大きく開けやすいと便利です。また、うさぎを短時間外で運動させるときに、うさぎが自分でケージ外に出られるような位置に扉があると良いですね。
うさぎが一日のほとんどを過ごすケージなので、床の形状と材質は大事です。床がすのこや金網になっていて、うさぎのうんちが下に落ちるようになっていると衛生的です。金網の場合、体重が重たくなると足に負担がかかり、ソアホックの原因にもなるので、負担がかからないようなシートを部分的に入れてあげると安心です。
ケージの底が引き出しになっている形だと、お掃除がしやすいです。引き出しになっていないタイプのケージは、ケージの囲いを外して底部分を掃除します。引き出しになっていると便利ですが、すのこや金網の掃除のしやすさは囲いを外すタイプのほうがしやすいため、それぞれ一長一短があります。
普段はケージを折りたたむことはないのですが、帰省や旅行などの必要があり、うさぎを連れて行けない場合にうさぎを預ける場所によってはケージ持参というところもあります。場合によってはケージを折りたたむ必要があるかもしれません。うさぎを定期的に預けることになりそうな人は、そのことも考慮しておくと良いかもしれません。折りたたまなくても車に乗れば、折りたたみの必要はないでしょう。
掃除のときなどに少しケージを移動する必要がある場合、ケージにキャスターがついていると便利なときもあります。
キャスターがあればケージが重くてもさほど困らないかもしれませんが、キャスターがない場合にはケージが軽いと動かしやすいので便利です。
おすすめのうさぎケージ
以上のことを考慮して、私がおすすめするうさぎのケージをいくつか紹介します。利点と欠点もわかる限り書いてみたいと思います。
小型のうさぎにおすすめ
ネザーランドドワーフ、ドワーフホトなどの体重が1.5Kgぐらいまでのうさぎには小さすぎることのないサイズです。
本体サイズ (幅X奥行X高さ) :63.5×50×50cm(ネザーランドドワーフには良いですが、ホーランドロップクラスになると狭いみたいです。)
底が引き出し式なので、すのこ下のお掃除が楽です。床はプラスチックすのこで洗ってすぐに乾かせて清潔ですし、足に優しく安心です。
ケージ開口部は正面の他、天井と左右横が開きます。おしっこガードはあったほうが良いですね。私は以前、別宅としてプロ仕様のケージを使っていましたが、おしっこガードがなくおしっこ飛び散りはもちろん、牧草もケージの外に出て掃除が大変でした。家庭向きではなかったです。おしっこガードはありがたいです。
一長一短ですが、正面扉が透明プラスチックです。これは柵かじり防止になるし、中の様子が見えるのは良いのですが、破損したりするとやっかいです。また正面以外をおしっこガードが囲っているために、子うさぎのときにはペレット容器や水ボトル取り付けの際に、正面のおしっこガードのない柵に取り付ける人が多いと思います。プラスチックの扉はそれができないために、大きくなるまでは直置きになってしまいそうです。
本体サイズ (幅X奥行X高さ) :62×47×51cm (キャスター付き高さ:55cm)
重さ:不明
他のケージと一線を画すデザイン。おしゃれなうさぎとの空間を求める方にはおすすめです。ケージは前面と天井が開きます。前面に小窓も付いていて、小さいですが開きますが、用途は不明です。
床は金網になっています。大きくなってきたらソアホック対策に、足休めのためのマットが1枚必要になるかもしれません。ケージの柵は格子状になっているので、給水ボトル設置の際、高さ調整の自由度が高いです。
床の下はトレーになっているので、引き出しやすく掃除が楽です。金網の床は、プラスチックすのこに比べて汚れが付きにくいですが、それでも時々水洗いは必要です。金網の外しやすさがどうなのかわからないですが、外しやすければかなり使いやすいケージです。
本体サイズ (幅X奥行X高さ) :71×50.5×56cm, 本体重量:6.7kg
横幅が71センチで、上二つのケージよりも少し幅広です。柵が横目なので、給水ボトル設置の高さ調整がやりやすいです。正面の扉は大きく、床のすのこも扉から取り出せるほど。扉は取り外しもできます。トレーは引き出し式なので、お掃除が楽です。
幅80ぐらいの大きめケージを部屋に置けない人が、中型うさぎのホーランドロップ用に使っているようです。ただ、ホーランドロップには少し狭いので、ロフトなどを設置して工夫しているようです。
小型のうさぎで使用する場合、扉に高さがあるためにうさぎ自身で出るのが困難なときには下のようなステップをつけると良いでしょう。ケージのメーカーなので、相性抜群のはずです。
本体サイズ (幅X奥行X高さ) :20×6×30cm、本体重量 :500g
坂の勾配がきついというレビューもあるので、購入の際にはよく考えてくださいね。うさぎが自分でケージの外に出られない場合には、飼い主が抱っこして出してあげるようにするのも一つの手です。こうすることで、抱っこの後良いことがあると思ってくれれば、抱っこがしやすくなるかもしれません。
中型のうさぎにおすすめ
ドワーフ種よりも体が大きくなるホーランドロップやミニレッキスなど、5Kgぐらいまでのうさぎの場合、大きめのケージが必要になります。
本体サイズ (幅X奥行X高さ) :84.1×52.6×56.5cm、本体重量 :8.2Kg
床はプラスチックのすのこです。前面の扉は広くて大きいです。天井はフルオープン可能です。半分だけ開けることもできます。難点は柵が縦目なので、給水ボトルの設置で高さ調整がしにくいことです。
引き出しトレーのタイプではないので、面倒と感じるかもしれませんが、慣れれば意外と簡単です。緑の部分と青の部分と柵の部分が左右の留め具を外すだけで3つに分割できます。
私はなのはっちのケージは初めからずっとこれ1つでした。丈夫で長持ちだし、大きいので場所は取りますが、狭くなったという理由での買い替えは不要です。ケージの色と素材感が、もう少し洗練されていたら申し分ないのですが。
本体サイズ (幅X奥行X高さ) :81×50.5×55cm (キャスター部50mm含む)、 本体重量:8kg
床がプラスチックトレイなので、水洗いしやすく清潔です。ケージが幅広なため、トレイの引き出しが2分割されていて大きすぎず扱いやすいです。トレイの同じところが汚れる場合は、2分割されているとペットシーツなどの交換が少なくて済みそうです。
トレイと床の間に隙間がないので、細かい牧草や汚れなどが部屋の床にこぼれません。
柵が横目なので、給水ボトルの高さ設定が細かくできます。ケージも白に統一されていてスタイリッシュです。おしゃれな空間になりそうです。
またこの「イージーホーム」には80用のカバーもあります。↓
寒いときなどに綺麗にケージがカバーでき、必要に応じて前面の開け閉めも可能です。
おすすめは以上です。他にもいろいろあるけれど、使い勝手を考えるとおすすめできるほどではありません。例えば・・・
幅は80センチ以上あるけれど、引き出し式のトレイはいいけれど、すのこを掃除するときには柵を外す必要があります。天井が開くようなので、何とかそこから出せるかもしれませんが、天井からすのこの出し入れは面倒です。それならいっそ、引き出し式じゃないほうがいいように思います。
もう一つはロフト。木製ならいいのだけれど、プラスチックで飛び乗ったり降りたりするときに足が滑らないか心配です。それからロフトでうんちをすると部屋の床に落ちるだろうし、ロフトでおしっこをする癖があると大変なことに><;しかもお尻を上げてケージの外に向けて・・・なんて。
かわいいケージでいいなと思ったのですが、使い勝手が悪そうです。まず扉。透明のプラスチックでケージ噛み防止にもなるし中も見えやすい。その上扉が上から下へ開き、うさぎがスロープを降りることができて素敵~。
でもプラスチックの強度が不明なので、大きくなった時に体重でしなったりすると割れたりしないか心配です。体重で破損しなくても、何らかの理由でプラスチックの扉が破損したら・・・。ケージの扉が無くなると困ります。
材質別おすすめのうさぎのトイレ
素材が違うと品質や使い勝手も変わるので、うさぎと飼い主の使い勝手の良いトイレを探しましょう。
無難なプラスチック製
本体サイズ (幅X奥行X高さ) :35.5×20.3×16.5cm
もっともオーソドックスな三角のプラスチックトイレです。うさぎが乗る部分は金網になっていて、長く使っているとコーティングが剥げて金属が錆びてくることがあるので、金網だけ買い替えることが可能です。
かなり乱暴にかじったりしない限りは壊れませんし、尿石がこびりついたときにはクエン酸や酢に付けておくと綺麗に取れるので、1つ買っておくと長期間使えます。
プラスチック製で軽いのでトイレの裏に固定具がついていて、うさぎが飛び乗ったはずみのトイレの滑り防止、いたずらでトイレを動かせないようになっています。
本体サイズ (幅X奥行X高さ) :28×22.8×15cm
四角のトイレもあります。四角の方がスペースを取る気がするので、あまり小さなケージには不向きです。三角トイレが小さく感じる子には、お尻を当てる部分が広いこの四角形のトイレが良いと思います。
うさぎの好みもあるので、一概にこちらが良いという判断はできませんが。
やんちゃな子には陶器製
プラスチック製は破壊してしまうという、たまにやんちゃなうさぎがいるかもしれません。そんな場合には陶器製が良いかもしれません。重さがあるのでそう簡単には動かせないし、噛んで壊すこともありません。
掃除のときにはそれなりに重量があるのと、落下などの衝撃で割れるので取り扱いが面倒で敬遠する人もいます。
三角の陶器製トイレもありますが、お尻部分が狭いためかおしりを上に上げて外におしっこがはみ出すことがよくあるとの話を聞きました。四角のトイレもお尻を当てる部分の高さはさほど変わらないと思いますが、三角よりも幅広でゆったり感があるので、お尻を上に上げるケースは少ないのではないかと思います。
かじる子にはメラミン製
メラミン製のトイレの特徴は、強度がある事・うさぎにかじられにくい事・汚れが付きにくい事です。
重さはプラスチックよりも重く陶器よりも軽いために、陶器製のトイレが重すぎて扱いにくいと感じる方にはよいかもしれません。ただ、トイレを押して移動させたり放り投げたりする癖のあるうさぎに対しては、そこまで重さがないので対策にはならないでしょう。
不便な点はトイレの固定具は底面の磁石のみなので、床が金網のケージには使えたとしても、床が木やプラスチックの場合には固定できません。底面の磁石は取れやすいとの声もあります。トイレの背面に固定具が付いていると良いのですが。改良が望まれます。
メラミンは強酸・強アルカリに弱い性質があるので、うさぎのおしっこ(アルカリ性)やトイレにこびりついた尿石を除去するために使う酢酸やクエン酸(ともに酸性)で、メラミンが分解しないか心配になるかもしれませんが、大丈夫です。うさぎのおしっこは弱アルカリですし、酢酸・クエン酸も弱酸ですので、メラミンが分解されることはありません。
固定式&直置きの中からおすすめのうさぎのペレット容器(フード入れ)
ペレットを入れる容器です。子ウサギの間は食べやすい位置に置けるものが理想ですが、大きくなってもずっと使えるのがいいですね。そういう視点でいくつか紹介します。
ケージの柵に固定して設置できるので、容器が動きません。うさぎによっては容器を動かしたりひっくり返したりするので、固定できるのが良い点です。また柵で固定できる位置が少し上になってしまっても、食べる位置が下がっているので使えるケージの選択肢が増え、容器の取り付け位置も選びません。
欠点はプラスチック製なので容器をかじられてしまう可能性があること。かじり癖のあるうさぎの場合、何年もかじり続けているうちに、破損して使えなくなることがあるかもしれません。
こちらの容器は同じくプラスチック製ですが、容器の縁にかじり防止加工がされています。なのはっちはかじり癖のあるうさぎでしたが、この加工があるおかげで全く痛まずに長く使えました。また固定具は十字溝になっていて、縦目・縦目どちらの柵にも取り付け可能です。
この容器の難点は、ケージの取り付け場所によっては位置が高くなってしまうことです。子ウサギには位置が高すぎてペレットが食べられない可能性もあります。なのはっちが子うさぎの頃は、柵が下の方まであるケージ扉にしか設置できないという不都合はありました。大人になって体が大きくなると、どこでも取り付けられるようになりました。
柵に固定するタイプですが、縦目・横目のどちらの柵にも取り付け可能な構造です。ペレットを入れる容器と取り付け具はワンタッチで外れるようになっているので、洗うときなど取り外しがしたいときに便利です。こちらはかじり防止の加工がないので、激しくかじられるとどうなってしまうかはわかりません。
うさぎのペレット入れは、固定式だとスペース節約にもなりおすすめですが、直置きのほうが食べやすいという場合には、陶器製の容器がおすすめです。重さがあるので、ひっくり返すこともなかなかないでしょう。陶器なのでかじる心配もなしです。中のペレットもこぼれにくい構造になっています。
うさぎが牧草を食べやすい&牧草の無駄が少ないおすすめのうさぎの牧草入れ
牧草入れは必須ではありません。うさぎにとって牧草は常にケージ内にあって欲しい食べ物です。飼い主がこまめに牧草を補充できる場合は、牧草を床に直置きでも良いと思います。お仕事などで家を空ける時間が長い場合には、牧草入れがあると湿気や踏んだりすることも減るのでおすすめです。
中には牧草が取り出しにくい牧草入れもあります。牧草が大好きなうさぎであれば、牧草を引っ張り出すのも楽しい遊びになりますが、牧草が嫌いなうさぎの場合、できるだけ食べやすい牧草入れを選ぶほうが無難です。
牧草入れは牧草が出すぎないように柵などが付いているものがありますが、それが食べにくかったりもするようです。この牧草入れは柵がなく、牧草もたっぷり入る大きさです。うさぎにとっても牧草を引っ張り出しやすいと思います。
難点としては、木製なので洗いにくい事。洗っても乾くまでは使えないので、うさぎのおしっこなどで汚れた場合は対処に困ります。また牧草を引っ張り出しやすい分、牧草が床にこぼれ落ちやすいということもあります。
この牧草入れも、牧草が入れやすく食べやすい構造です。子ウサギにはケージ下の方に取り付けができればよいのですが、ケージの構造次第となります。上に紹介した牧草入れと同じく、床にこぼれ落ちる牧草の量は多い可能性があります。
大きめの陶器製の牧草入れです。どっしりして重さもあるので、安定感があっていいと思います。下に受け口があるので、細かい牧草などが床に散らばることはなさそうです。長い牧草を抑える柵がありますが、下のほうから上手く牧草の端を引っ張り出して食べてくれそうです。
注意点として、川井の木ネジは壊れやすいと思います。私は以前、川井の別タイプの陶器製の牧草入れを使っていましたが、ネジ部分が壊れて使えなくなりました。購入の際にはその点ご注意ください。ネジをきつく締めすぎないのが良いかと思います。
「その2」で説明します。