斜頸(斜頚)うさぎのホームケア5つのポイント

うさぎの斜頸に関して
うさぎが斜頚になったら飼い主が初めにすべきこと3つ
うさぎの斜頸は病院でどんな治療をするの?
という記事を書いてきました。
今回は通院しながら家でできる斜頸うさぎのケアについて紹介したいと思います。

斜頸うさぎの介護~必要なホームケア5つ

うさぎは斜頸になると、ひどい場合には自分で食事をすることも水を飲むこともできなくなります。症状は軽いものから重いものまであるので、症状に合わせて必要なケアをしてあげましょう。ここでは重い斜頸症状のあるうさぎの介護(ケア)のポイントを5項目に分けて説明します。

1.強制給餌又は食事の介助

うさぎは絶食できない体の構造になっているので、食欲がない状態でも食事を与えなくてはなりません。全く食べられない状態が一定時間続くと、急激に衰弱してしまうので要注意です。食事と水分が適切に摂れるように気を配りましょう。

1)食欲があって、うさぎが自力で起き上がれる場合

うさぎが動ける範囲のところに水や食べ物を置いておく。

まずは水や牧草などを口元へ近づけてみて、起き上がったり頭を起こして自分で食べられるようならば、好きな時に食べることができるように生野菜や牧草を傍に置いておきましょう。生野菜は水分摂取には欠かせません。水分が足りないときには必要に応じてスポイトやシリンジでお水をあげてください。

いつローリングが始まるかわからない状態のときに、飲み水を入れた容器などをケージ内に置いておくと怪我をする危険性があるので、生野菜や飼い主の手で水をあげるのがベストです。

2)食欲はあるけれど、うさぎが自力で起き上がれない場合

水や食べ物をうさぎの口元まで持っていって、食事の介助をする。

起き上がることも頭を持ち上げることもできずに寝たきりになっている場合は、飼い主による食事の介助が必要です。口元に食べ物や水を持っていき、うさぎが食べたり飲んだりできるようにします。このような状態のときは、できるだけ長時間の外出をしないようにしたいものです。仕事でどうしても不在にする場合には、寝たままでも何か食べることができるように口元に牧草や生野菜をたくさん置いて出かけましょう。

帰宅後はまっさきにうさぎの様子を見て、水分補給と食事を与えることが必要です。また室温にも気を付けなくてはなりません。寒すぎないか暑すぎないか、一見快適そうでも窓の近くにうさぎのケージがある場合には、不在の間に窓から寒気や日光が差し込むのであれば対策が必要です。

在宅中はできるだけ頻繁に水分と食事を与えるようにしましょう。一気にたくさん与えるよりも、こまめに与える方が自然に近いので、できる範囲で良いので食事回数が多くなるようにしてあげましょう。

3)食欲がなく全く食べようとしない場合

強制給餌をする。

口元に食べ物を持って行っても全く食べようとしないときは、強制給餌をします。強制給餌とは、うさぎが噛まずに飲み込めるような状態にしたペレットを、シリンジなどに詰めて無理やり飲み込ませることです。かわいそうな気がするのですが、命には代えられません。全く食べない状態のときだけ強制給餌をして、元気が出て来るとまた食欲が戻るので、そのときは直ちに強制給餌を止めて、うさぎが自ら食べられるような介助に切り替えましょう。

強制給餌はドロドロにしたペレットを詰めたシリンジを、うさぎの口の奥の方へ差し込んでペレットを流し込みます。奥まで差し込む理由は、否応なしに飲み込むしかない状態にするためです。中途半端に口の中に入れただけだと、うさぎは食べたがらないので、飲み込んでくれません。

強制給餌はうさぎが嫌がるのため、しっかりと保定をして行います。ペレットが気管に流れ込まないように気を付けなくてはなりません。うさぎも飼い主も慣れるまでは大変だと思いますが、大切なうさぎを死なせないために、やるしかないという気持ちで取り組んでください。私もなのはっちの強制給餌のときは初めはとても怖かったですが、そのうちになのはっちも私も慣れてしまいました。うさぎも飼い主を信頼して受け入れてくれますので、自信を持って行いましょう。

2.投薬

うさぎが受け入れられる投薬法は様々なので、うまく行かないときはいろんな方法を試す。

病院でもらったお薬は、きちんと決められた回数飲ませましょう。嫌がることがあるかもしれません。飲ませ方はうさぎの性質にもよるので、薬を嫌がる場合にはペレットに混ぜたり水やフルーツに混ぜたり、いろいろ試してみてください。液体の薬はシリンジから直接好んで飲んでくれるうさぎもいます。まずは一番楽な方法から試してみてください。

うさぎが自ら好んで飲んでくれる方法がベストですが、何をやっても拒否される場合は、強制給餌と同様に強制的に投薬します。その場合はうさぎをしっかり保定して、飲み込むしかないように口の奥まで薬を入れます。液体ならシリンジで、粉末の場合には水などに溶かしてシリンジで飲ませます。錠剤はあまりないと思うのですが、粉末にすると水に溶かすことができます。錠剤を粉にするには、小さな乳鉢を買ってすりつぶします。

3.うさぎの身体の保護・観察

うさぎがローリングした時に、怪我をしないように細心の注意を払う。

斜頸のうさぎは体を安定に保つことができず、うさぎの意思とは関係なく突然転ぶことがあります。断続的に体が回転(ローリング)することがあるため、回転時にケガをしないよう対策をする必要があります。具体的にはローリングの症状があるときには、トイレや水・ペレットなどの食器類はケージ内に置かないようにしましょう。転んだ時に目をそれらで眼球を傷つけるなど、怪我をする可能性があるからです。

ケージ内には物を置かないようにすることの他、転んでも骨折や脱臼しないようにクッション類を敷き詰めます。ローリングの際に、床が金網だと爪や指が引っかかってとても危険だからです。また柵にも手や足が引っかかったり眼球が当たったりする恐れがあるため、ある程度の高さまでクッション性のあるものでガードしておきましょう。

ローリングは平衡感覚を失うために起こります。平衡感覚をつかさどる器官が正常に機能していないために、目が左右に細かく揺れる眼振という症状が伴います。眼振があるうちは、できるだけ部屋を静かに、部屋の照度も少し落とし気味にしてあげるようにしましょう。また、ケージは広いとそれだけ転びまわるスペースができてしまうので、厚みのあるクッションでケージ内を囲って、できるだけ空いたスペースを作らないようにするほうが、うさぎが落ち着きます。

なのはっちのローリングが最も激しかった時期は、バスケットにフリースを敷き詰めてその中に入れて、周らないように体の四方からフリースで柔らかく抑えるようにして、常に傍で看ていました。少し落ち着いてからは、ケージ内に戻しましたが、やはりクッションや大きなフリース素材の布でケージ内を囲み、体がやっとおさまるぐらいにして左右から柔らかく抑えていました。

目安として、このような時期は食欲もなく口元へ水や食べ物を持って行っても受け付けないので、強制給餌となります。そのためケージ内には食べ物など何も置く必要はありません。うさぎがローリングにより体を傷めないように気をつけることが強制給餌とともに最優先となります。

症状を見ながら、徐々にうさぎが動けるスペースを広げていくようにしましょう。

4.リハビリとマッサージ

筋力回復のためのリハビリと、将来肢を悪くしないためのマッサージも大事。

ローリングがおさまり症状が安定したら、少しうさぎが動き回れるような環境を作ってみます。その際はうさぎから目を離さないようにしましょう。うさんぽができるようになると、うさぎ自身も安心して食欲もどんどん出てくると思います。うさぎの首が傾いたままでも、慣れるとその状態で動き回ることができるようになります。自分で動き回ることは、弱った筋肉の回復を促し、良いリハビリになります。

斜頸で首が傾いたままになると初めの数年は良いのですが、歳をとるにつれて傾いた方の肢に負担がかかり続けるために、肢が悪くなります。片方の肢に負担をかけすぎないためにも、体重管理をしっかりと行いましょう。食欲旺盛でも、食事を与えすぎて太ってしまうとそれだけ片方の足に負担がかかることになってしまうからです。

年老いてくると徐々に歩けなくなってくるでしょう。そうなる前に、肢・胴体・首など負担がかかって良そうな部分を中心に、マッサージで筋肉をほぐしたりバランスよく手足を動かしながらほぐすなどして、凝り固まった部分を解放してあげましょう。

うさぎのマッサージは力加減に気をつけてください。撫でるぐらいの力加減で十分です。血行を促したり、筋肉を撫でてほぐしたりすると良いと思います。もっと研究したい人は、うさぎマッサージの方法や経絡などを解説した本があるので、それらを参考にしてください。

マッサージについては、詳しく記事にして本を紹介したりしていますので、興味のある方はご参照ください。
5.1.3 リハビリとマッサージ

5.グルーミング

斜頚になるとうさぎ自身で十分にグルーミングできなくなることがあるので、飼い主が足りてないところはカバーする。

斜頸になると、食欲や運動ができるようになっても毛づくろいが十分にできなくなることがあります。首が傾いていると体が安定せずバランスを崩すために、グルーミングが不十分になることは仕方のないことです。いつも観察して体のチェックをしていると、いつも汚れが残っている箇所が把握できるので、そこは飼い主が毎日グルーミングしてあげましょう。

何年も続けているとうさぎも理解するようで、なのはっちは私がグルーミングする際には身をまかせてくれるようになりました。晩年、肢が弱ってくるとおしりの汚れがひどくなり、頻繁におしりを洗わなくてはならなくなりました。若い頃はおしりを洗うのが大嫌いだったのに、浅い洗面器にぬるま湯を入れて洗面器の中に後ろ足で立たせてあげて体半分ぐらいを手で支えてあげると、とても気持ちよさそうな顔をして、じっとしていてくれました。信頼関係が築けているように感じて、大変だった介護の中にもそういう幸せが感じられました。

介護は大仕事だけれど、うさぎとの関係性が深められるきっかけにもなる

介護がなくては生きられなくなったうさぎは、人間の手に自分の身体を委ねるようになります。100%そうなるという保証はできませんが、うさぎと接するときによく観察し、何を欲しているのかを読み取ろうとすると、うさぎはそんな飼い主を理解し、信頼してくれるようになるのではないかと思います。

長年うさぎのなのはっちを介護しましたが、人の手がなければ生きられないということを、幾度となく訪れた命の危機を経験する中で、なのはっちは徐々に理解するようになったのではないかと思います。少なくとも、私にはそう見えて仕方がありませんでした。介護するのは飼い主ですから、そう思うのも飼い主の勝手といえば勝手。そう思うことで介護を楽しむことができれば、うさぎと飼い主両方にとってハッピーなのだと思います。

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