うさぎの寿命

飼いうさぎの寿命は、どれぐらいなのでしょうか。昔と比べたら?野性のうさぎと比べたら?屋外で飼うのと屋内で飼うのでは、寿命は違うの?などについて、まとめました。

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うさぎの寿命はどれぐらい?

野生のうさぎ

野生のうさぎの寿命は数年と言われています。それは病気や捕食動物に襲われたり、飢えなどが原因と考えられています。これに対し、飼いうさぎは8-12歳。ずいぶん違います。
(参照サイト:How Long Will My Rabbit Live? | PETMD.com

飼いうさぎは人間から食べ物がもらえますし、病気になると動物病院へ行って診てもらうことも出来ますし、捕食動物に狙われることもほとんどありません。このように飼いうさぎは、野生のうさぎがさらされる危険をかなり回避できるからでしょうね。

飼いうさぎの寿命

うさぎの寿命 今と昔

飼いうさぎの飼育環境は、一昔前に比べると随分良くなっています。今から20-30年前は、うさぎの寿命は5年ぐらいと聞いていたことを考えると、飼いうさぎの寿命は数十年の間にかなり長くなっていることがわかります。なのはっちを飼い始めた十数年前と比べると、うさぎを診ることができる獣医師の数も増えているようです。

屋外飼育と屋内飼育で寿命は違う

屋外で飼うよりも屋内で飼ったほうが、寿命が長くなる傾向があります。屋内飼育がうさぎの寿命を延ばす理由は、うさぎの異変に気づいてあげやすく、適切な処置ができる可能性が高くなるためです。また屋内飼育は気温の高低差があまりないので、うさぎの身体にかける負担が屋外飼育よりも少ないことも影響しています。老いてくると気温がうさぎの身体にかける負担は、ますます大きくなってくるでしょう。

屋外飼育の場合、外敵から襲われる可能性も無視できません。

飼いうさぎの寿命に関してわかっている事実

HRS(House Rabbit Society)という、アメリカで最大かつ歴史あるうさぎに関する非営利組織のサイトから引用・翻訳させていただきました。(引用:HOUSE RABBIT SOCIETY | How Long Does a Rabbit Live?

How Long Does a Rabbit Live?
Here are a few facts about rabbit longevity and life spans:

  • Spayed or neutered house rabbits generally live 8 to 12 years.
  • According to the Guiness Book of World Records, the oldest rabbit in the world lived to the age of 18.
  • Larger rabbits generally have shorter lifespans than dwarf rabbits.
  • Purebred rabbits generally have shorter lifespans than mixed breeds.
  • An unspayed female rabbit is at very high risk for cancer.
  • Outdoor rabbits have (on average) a much shorter lifespan because of the many risks and hazards associated with living outdoors.

以下引用部分の日本語訳です。

  • 避妊・去勢処置済みのうさぎの寿命は、一般的に8-12歳
  • ギネス記録によると、最高齢のうさぎは18歳
  • 大型種のうさぎは一般的に小型種よりも寿命が短い
  • 純血種のうさぎは一般的に雑種よりも寿命が短い
  • 避妊手術をしていないメスのうさぎは、発がんのリスクが非常に高い
  • 屋外のうさぎは様々な危険にさらされるために、平均的に寿命は(屋内のうさぎよりも)かなり短い

うさぎが命を落とす病気や事故

病気 消化管うっ滞

うさぎが命を落とす病気で多いのが、消化管うっ滞です。以前は毛球症とも呼ばれていました。うさぎは消化管を常に動かしていなければならない動物なので、命取りになることを覚えておきましょう。

食欲低下、うんちが小さい、腹ばいのままじっとして動かないなどの症状があれば、すぐに動物病院へ行き、適切な処置を受けましょう。様子見厳禁。異変に気づき、早ければ数時間で容態が急変する恐れがあります。

消化管うっ滞について、詳しいことは「linkうさぎ よくある消化管の病気:毛球症、うっ滞 | うさぎの病気と介護」を参照してください。

事故 骨折

事故で多いのは骨折です。うさぎは臆病なので、急に抱き上げたり大きな物音などでパニックになります。落下して腰や足の骨を骨折したり、自分の足の筋力で骨折したりするので、うさぎをパニックに陥らせないよう注意しましょう。

骨折と同様に脱臼も多いのがうさぎの特徴です。うさぎは骨がもろい動物です。それは骨の構造に理由があるようで、簡単にいえば骨が軽いのです。鳥は空を飛ぶために軽い骨でできていますが、うさぎは鳥よりも少し重たい程度で、犬やネコの半分ぐらいの重さしかなく、スカスカです。

骨がもろいのに対し筋力が強いので、自分の力だけでも骨折してしまうのです。無理矢理うさぎを抱っこしようとして、嫌がって後ろ足で蹴った拍子に骨折することがあります。また強い力で暴れて、手が離れてしまい落下して骨折することもあるので、気をつけましょう。

骨折の度合いや場所によっては命取りになるため、速やかに動物病院で処置してもらいましょう。骨折のショックや痛みにより食欲が低下することがあれば、特に気をつけましょう。

ちょっと余談。私の考えですが、うさぎは捕食動物から早く逃げるために骨が軽く出来ているのではないかと思います。それに捕まったら自分で心臓を止めるという話も聞いたことがあります。捕まったときに楽に死ねるように、自然が作り出した身体の構造なのかもしれません。神秘的で切ない物語です。

食生活

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毎日の食事がうさぎの身体を作るので、食生活はとても大事です。うさぎが本来食べるべきものを食べさせることが理想です。

一昔前に比べたら、飼いうさぎのフード事情はかなり良くなっています。うさぎ独特の消化管を健やかに保つには、繊維質の多い食事が欠かせません。乾燥牧草を中心に、足りない栄養素をペレットで補い、さらに補助的にサプリメントやおやつを取り入れるのが良いようです。

おやつといっても小麦粉が入っているうさぎ用クッキーはNGです。乾燥パパイヤや乾燥にんじんなどの野菜や、たんぱく質補給にえん麦などを少量与えるぐらいで充分です。年齢によっても、食べさせると良いもの、控えるものが変わってくるので、うさぎの年齢に合わせて食生活も変えていくのがおすすめです。

身近にある食べ物で、知らずにうさぎに食べさせると健康を損ねる栄養素として、覚えておいたほうがよいのは「カルシウム」です。うさぎは尿中に他の動物と比較して高濃度のカルシウムを排泄します。哺乳類の多くは尿中のカルシウム濃度が2%程度なのに比べると、うさぎは45-60%あるそうです。

そのためカルシウムを多く含む食事をしていると、尿中のカルシウム濃度はさらに多くなり、結石を作りやすくなります。結石が大きくなると排尿困難になり、元気・食欲も低下します。

日々の食生活は、うさぎの寿命を大きく左右します。うさぎの食生活についてはlinkうさぎが食べてもよい野菜・果物・野草 & 食糞のはなし」を参照してください。カルシウムを多く含む野菜なども書いています。

運動の必要性

飼いうさぎに運動は必要でしょうか?運動するかしないかで、寿命は変わるのでしょうか。

答えは私たち人間と同じように考えるとわかると思います。運動不足は確かに不健康だと思います。けれどもうさぎは犬とは違い、リードをつけて散歩させるには不向きな性格です。ネコのように気ままに歩き回るのも、事故のリスクが高すぎます。

結論から言うと、安全な環境の中で遊ばせる程度が最善です。家の中で放し飼いされているうさぎもいると思います。それならば、ある程度の運動量にはなるでしょう。けれども電気コードを齧ったり、飼い主に間違って踏まれたりして、事故が起きてしまう可能性があるため、対策を施すとよいでしょう。

もっとも事故の心配が少ないのは、ケージ飼いで1日1回程度小さなサークルで自由に遊ばせることです。

うさぎはちょっとの物音で驚いてパニックになる動物なので、ケージから外に出すときには気をつけましょう。私はケージのお掃除のときに、サークルで遊ばせていました。年老いると、ほとんど動かなくなりますが。

基本的に怖がりなので、無理にケージ外に出すこともないかもしれません。ストレス解消の齧り木や、うさぎ専用のダンボールのおもちゃなどがあるので、それらを使ってもよいと思います。外に出すときは、カラスなどの外敵に注意しましょう。

飼いうさぎの寿命という点では、命を落とすような怪我のリスクが大きいので、ほどほどに運動させるのがベストだと思います。

うさぎに長生きしてもらうためにできることについて、別記事にまとめる予定です。

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